考える練習

舞台やイベントの感想など

カオスの調和が心地いい - Bimi 2nd EP「bin」感想

1st シングル「Tai」の時は「これどうしたらいいんだ…!?」と途方に暮れていた私も 2nd EP ともなると慣れてきました。

「Tai」と「die young」を経ての 1st EP の時ってまだ、聞いて最初の印象として「おお…こういう感じなのか…」という戸惑いがあったんですよね。何回か聞いていくうちに慣れはしたんですけど。


で、今回の 2nd EP。今回は事前にインスタライブでどの曲も数回聞かせてくれていたのがでかいのかなとも思うんですが、EPが配信されて、聞き始めてすぐに「うわ、いいな…」ってなって。1回目は歌詞見ずに聞いて、2回目は歌詞見ながら聞いて。もっかい今度は歌詞見たり見なかったりしながら聞いて…。

聞いててとにかく気持ちよくて、なんか延々聞いていたくなってしまった。結果、本日若干寝不足でした(笑)。

もしかしたら今回の曲が比較的聞きやすい感じなのかもしれないなとも思うんですが、こういう曲調自体に慣れてきたのもあるのかな、と思ったりしています。


以下、曲ごとに感想を。


1. show
ポップな出だしから一転、しゅうん、と闇落ちして、メディア(というか世間?)の闇の側面を深堀する曲が始まる。また出だしのポップな感じに戻るところが、不思議の国からアリスが戻ってくる時のようで好き。

2. Devil
歌詞を見たら思っていた以上にやばい感じでびっくりした一曲(笑)。歌詞見てると「これが曲に??」と戸惑う感じがあるけど、聞くとちゃんとまとまって聞こえる不思議。

「ここが私と貴方の家?」「お話はそんなにしてないけれど」のささやくようなトーンが好き。「犯罪の歌(本人談)」というのを踏まえるとそういうことなのかな…とちょっとそわっとするのがまたよい。

3. 27th
インライで聞いた時から切ない曲だな~と思ってたけど、歌詞をまとめて見るとより切なさを感じて、心がぎゅっと締め付けられるような気持ちになる。
「思ってたよりもこの世界は僕が嫌い みたいだ」が切ない。

4.
民謡のサンプリングを取り入れた、んだったかな?「和」っぽいテイストが入ったノリノリの曲。
インライで聞いた時から楽しい曲だなと思ってたけど、歌詞見ながらちゃんと聞くとより気持ちいい。ラリった夢みたいなカオスな歌詞なんだけど、Devilと同じく、ちゃんと曲になっていて、ごった煮感がよりお祭り感をあげてくれる。
サビの「俺も私もしゃれこうべ 老いも若きもある信念」のリズムの良さが好き。

5. 俺の冬
寒いけどからっと晴れた冬の澄んだ空気が伝わってくるようで、寂寥感もありつつ、どこか明るい感じが好き。
聞き取れないけどなんか英語かなと思ってた部分が「餅食う」だったのでウケた。mocchi coo! みたいな感じの発音だからさ…(笑)

6. funky night
いかにもダンサブル!という感じで楽しい。でも歌詞読むとわりと煽ってるんだよな…(笑) ノリノリな中に昏さがにじむ感じがらしいな~と思う。
「暗いからほらバレないぜ」はそういうことだよってインライで教えてくれたんですが、そうするとその後の「俺に全部委ねて」がえろく聞こえるので困る(?)。


歌詞に混ざってくる意見がインライでよく聞いてる話だったので、あの意見がこういう風に曲になるのか~と感心しました。
上でも何回か書いてますが、わりとごちゃっとした感じに見える歌詞がちゃんと曲として昇華されてるんですよね。私はヒップホップとかラップに詳しくないので、もしかしたらそのジャンルではみんなそういうものなのかもしれないけど、地味にすごい技術だなと思う。