考える練習

舞台やイベントの感想など

廣野凌大 写真展「MEMORY」会場配置について&感想

通販ページだと会場ではどう飾られてたのか全然わかんないんだなということに気づき、会場での配置など書いてみました。

会場配置など

場所はギャラリー・ルデコB1。エレベーターで地下1階に降り、左手に数歩歩くとそこが展示会場。少し暗い廊下から明るい光につられるように会場内へ。入ってすぐ右手に受付があり、ここで1,000円を払い、チケットと入場特典ブロマイドを受け取る。

「そちらのポスターとあちらの写真は撮影可能です」と説明を受け、振り返ると後ろには4連で貼られたポスター。白地に黒のポスターが映える。その右手、すこしひっこんだ壁にはTwitterで蒔田さんが見つめ合い写真を撮っていた、オークション対象のA0の写真がかけられている。
A0写真

一通り見たら写真を撮ろう、と思いながら右手に視線を移すと、部屋の中央、大きな可動式パネルに飾られた、こちらもオークション対象のB0の写真。でかい。とにかくでかい。


イカウボーイでの写真だった。写真集の見開きの写真のような、円形に光が走る撮り方。円状の光の中、こちらに何かを問いかけるような表情の廣野くんが立っている*1。写真展中央を飾るにふさわしい貫禄。

大きな写真の下半分を埋めるように書かれた大きなサインは、あまりの大きさゆえにスムーズに書けなかったようで、ところどころ書き直した跡があり、線が二重になったり謎の線が発生したりしていた。線の筆致自体もだいぶへにょへにょしており、苦労が偲ばれた。それを補うためだろうか、A0の写真はサインのみだったが、こちらの写真には、サインの中に「廣野 凌大」の記名もあった。


B0の写真からそのまま右に移動した壁沿いには、オークション参加用の用紙と投入用の箱が置いてあった。その左から、A4・A3の額装写真の展示が始まっている。

まず最初の壁(入り口からは右手側)には、右から左へ、上下2列で、1番~8番の展示があった。すべてA4サイズでの額装。その次の壁(入り口からは奥側)にはA3サイズでの展示。こちらは横1列、9番~19番の展示。19番の横は出口。そこで後ろに向き直ると、B0の裏側部分にも展示があり、上下2列、すべてA4サイズで、20番~25番の展示。

ちなみに受付のテーブルにはL型を作るようにもう一つテーブルがくっつけられており、そちらでは物販を行っていた。また、入場特典ブロマイドは3種あり、どれがもらえるかはランダムだったが、追加でお金を払えば、ブロマイドの買い足しも可能だった。

ルデコ フロア図面 – LE DECO(ルデコ)ギャラリー・ルデコ


蒔田さん、馬場さんから聞いた話

蒔田さんに「どの写真を飾るかはどういう基準で選んだんですか」と質問したところ、「まずA4とA3を何枚どのように並べるかから決めた」という話で、考えてみれば当たり前なんだけど、そうかそこから決めるのか、と思って印象的だった。

馬場さんのお話もおもしろかった。

  • 「これは何を見てるんですか」とよく聞かれるが、だいたい特に何も見ていない
  • 「これは何を見て(何があって)この表情に?」もよく聞かれるが、いっぱい撮った中から選んでいるので、いろんな顔をしている中でたまたまそれがよかった、みたいな感じで選ばれている

だいたい特に何も見ていない、が好き(笑)。9番のバス停で見上げてるやつもいかにも何か見てそうだけど特に何も見てないらしい。

感想

B0の写真は会場に行かないとわからない仕様になっていたため、B0の写真が非常に好みだったらどうしようと地味に心配していたのだが、そこまでではなかったので助かった。

my初日(以降、初日と記載)は仕事終わりに駆け込みでいったのもあって、あまり時間がなかったので、さっと会場全体を見た後、1番から順にわりとさくさく写真を見ていった。一周してまだ時間が大丈夫そうだったのでさらっともう一周した記憶がある。この日いいなと思ったのは1,5,19,24,25。いいなと思った写真の枚数が多かったのと、飾るならこれかなと思う写真と欲しい!と思う写真に少しズレがあり、額装写真は別にいいかも…に気持ちが傾いていた。写真展の期間中、極力通って目に焼きつけよう…と思っていた。

しかし翌日、あらためて写真展に行き、1番から見返していると印象が変わり、好きなのは19と24、次点が5かな…と数が絞れてしまった。また、額装されているからといって、必ずしも飾らないといけないわけでもないよな、ということに気づき、気持ちが迷い出した。好き写真については現時点でも変わっていないので、たぶんそのあたりで購入すると思う(まだ買ってないんかい)。


初日にいいなと思った写真から自分の傾向として把握したのが、比較的明るめ(もしくは顔の部分が明るめ)で、表情が見えるもの。すました表情よりは、前後の動きが感じられるような表情が好き、ということだった。

Twitter上で他の人が何番を好みとしてあげているかを見、写真展会場では直接、何番が好きか、どこが好きか、などいろいろ聞いた。ある程度これが人気という傾向はあったが、どれをいいと思うかは思った以上にばらけていて、人によって理由も違うし、おもしろかった。

額装写真というところから、単純に好みの写真はどれか、というだけではなく、「飾るとしたら」という観点がかならず入っていた。「飾るという観点も入れるとこの写真」というのはよく聞いたし、私が好きな24番は「この写真は好きだけど飾るにはちょっと」というのをよく聞いた。私も常時飾る気はない(はい)。


最初、写真展が開催されると聞いた時は、「よくわかんないけどせっかくだし行くか」ぐらいのテンションだった。いざ行ってみると、1つ1つ額装された写真との対峙は予想以上に楽しく、気がつくと翌日も足を運んでいた。写真集の中の1ページを眺める時とはまた違った感覚があり、1対1で対話しているようだった。

これまでたまたま目についた写真展などにふらっと入ることはあったが、なんとなく見方がわかるようなわからないような、ぼんやりとした感じだった。今回、推しの写真展ということでじっくり向き合ったことで、1つの見方を手に入れた気がしている。

24番と19番が好きな理由

※ ここからは本当に個人的な感想だよ☆ ※
24番を最初見た時に、相手が気心知れた人だからこその表情だなというのを強く感じた。甘えるような、さらけ出すような。相手に全力で寄りかかるような甘えを感じる。

ここでいう「甘え」、通常使う用法とはちょっとズレている気がするのだが、伝わるように言い換えるならなんだろうな~と考えていて気づいた。人にどう見られるかな、という自意識が、おそらくこの瞬間には、ない。その時の感情がそのまま出ちゃった、そんな表情。

で、たぶん19番もそうなんじゃないか、ということに思い至った。完全無意識、何かに心が動いた、そのまんまの素直な反応。

*1:と書いたが実を言うとけっこう記憶がおぼろになってしまっており、もっとちゃんとメモ取っておくんだったー!と思っている