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知能検査(WAIS Ⅳ) を受けてみての雑感

※公式サイトに載っている程度ですが、WAIS検査の内容に振れるため、近々受ける予定のある方は注意。

先日、WAIS-Ⅳ(ウェクスラー成人知能検査)、いわゆるIQテストを受けて来ました。なぜ受けたのかというと、発達の凸凹を知りたかったのと、もしかして実は境界知能だったりする…?という疑念があり、そのあたりを確認したかったからです。

WAIS-Ⅳについての解説
【WAIS-Ⅳのすすめ】第一回:WAIS-Ⅳってなんだ?|もえ氏(萌大小姐)|note

受けてみての一番の感想は、知能検査って、あくまで知能の一部機能をはかる検査なんだな~でした。

結果について心理士さんから説明いただいた時に、「スマホのスペックみたいなものです」って仰ってたんですが、ほんとうにそうだなと思います。あくまで基礎スペックでしかない。

元々がこどもの発達度合いをはかるためのテストであることが影響しているのか、例えば言語に関する検査では単語単位での比較だったり説明だったりしか出題されなくて、文章を読んで意味がつかめるかとかの検査項目がないんですよね。まぁ語彙力というのはある程度そういった能力と比例するとは思うんですが。

単体の問題をどれだけ速く正しく解けるかのテストでしかないので、例えばすぐ解けるわけではない難しい問題にどう取り組むかとか、新しい物事を勉強する際にどの程度の速度理解度で吸収できるか、なんかはテストできないんですよ。

また、検査の時は間違えても不利益が発生することはないし、急かされることもなく、
安全な状況下でのテストになるので、何かしらプレッシャーがかかった状態でどうなるのか?もテストできない。


ちなみに知能検査、私はクリニックで受けて1万円だったんですが、心療内科で診療の一貫として受ける場合は保険適用になるので数千円で済むらしい…。まぁ、そっちの方が予約を取ってから検査を受けて、結果が出るまで時間かかりがちなようなので、結果的にはよかったかな(負け惜しみ)。


私の結果
点数書かない方がいいのかなとも思ったんですが、書いた方がわかりやすいしおもしろいかなと思ったので(?)書いてみます。

全検査 IQ 129

言語理解 115
知覚推理 126
ワーキングメモリー 137
処理速度 118

スコアの意味について (上述のブログ記事より引用)

同年齢内で平均的な結果であればIQ100で、結果が良ければ良いほどスコアが高くなっていきます。標準偏差1つ分結果が良ければIQ115(+1σ)、標準偏差2つ分結果が良ければIQ130(+2σ)で、IQが高ければ高いほど/低ければ低いほど出現頻度は低くなります。


クリニックによっては、下位検査の項目ごとの得点も教えてくれるところがあるようですが、私が受けたところでは教えてもらえたのは、上記の得点のみでした。

結果聞いた時は「高めですよ~」って言われても「そうなんだ」という感じで実感わかなかったんですが、全検査IQでいうなら、上位3%に入るのを見て確かに高めだな……!?と今更に実感。

「上位2%のIQの人たち」を謳い文句とするMENSAの入会基準がIQ130らしいので惜しい。でも考えてみると上位2%って50人に1人はいるわけでそこまで珍しくもないんですよね。

特にワーキングメモリーは上位1%の数値らしいんですが、ほんとか?という疑念が正直あります(笑) 下位検査が数字や数値に絡むものばかりだったんですが、私はどっちも好きなんですよね。計算を含む文章題の時は、「私珠算やってたので暗算できるんですが、大丈夫ですか?」って確認して、「大丈夫です」とは言われたものの、計算に関して、労力がかからないのが余裕に結びつかないわけないよなぁという…。


ただ、大事なのは能力ごとの差。ここが凸凹していればいるほど、生きづらさを感じやすいと言われてます。で、私の場合は一番高いワーキングメモリーが137というかなり高めな数値、知覚推理も126と高めなのに対して、処理速度118、言語理解115。落差が最大22。

PCで例えるなら「メモリは大きいし、CPUも悪くないのにIMEがいまいちで画面出力が遅い」みたいな感じ。処理そのものは別に遅くないのに出てくるのが遅いという感じですね。自分で書いてて悲しくなってきたな…。


低いだろう自覚のあった処理速度より言語理解の数値のほうが低いのが、私としてはけっこう衝撃だったんですが、試験を思い返すと言語理解の「類似」と「単語」でけっこう悩んだ問題が多かったので、数値が低いの、それはそうだな…という感じがする。

「単語」は単語の意味を説明する検査で、学術用語に近い単語はわりとさくさく説明できたんですが、日常用語に近いやつはだいたい説明に苦慮しました。「類似」は逆に具体的な単語はさくさくいけたけど、抽象的な単語になると全然わからなくて、
私「うーん……わからないです……」
心理士さん「何かないですか??」
という感じで励まされつつすごいがんばってひねり出していた……。

あとこのあたりの検査は、わかっていてもうまく説明できない場合は点数が低くなりそうなので、言語理解はアウトプット能力があるなしでけっこう点数がわかれる気がする。知覚推理やワーキングメモリーでやってた検査は正解がわかればアウトプット能力関係ないんですよね。


検査結果を心理士さんから話してもらう時に、「もしかして境界知能なのでは?」という疑念もあって受けてみたんですが…という話をしたら、処理速度が他に比べると低めなので、想像より遅く感じるのかも、と言われたんですが、同じく低めな言語理解もアウトプットの比重がけっこう高いことを考えると、全体的にインプットは得意だが、アウトプットは不得意という傾向になるのかな~という感じがします。

(ちなみにIQ70以下だと知的障害の可能性あり、でIQ85以下が境界知能と言われるライン)


そう考えると体感と合うというか…。仕事も含めて、普段の生活においてはインプットも大事だけど、最終的にアウトプットが出せないと意味ないじゃないですか。そこで詰まってしまったらトータルの評価としては「あまり出来が良くない、遅い」という評価になる。

Twitterなんかで議論が盛り上がった時も読む分には支障ないんですけど、自分の意見に関しては言語化に時間かかるので、意見のアウトプットに遅れがでがちで、途中から言語化を諦めたりするので、そういう意味でも体感と合う…(笑)


結果を自分の得意不得意の把握に活かす、という意味では、ワーキングメモリーと知覚推理が高いの、正直どう活かせばいいんだ??という感じでまだ答えが見つかってないんですが、言語理解が低かったところから、「自分で思っているより言語面の能力高くないんだな~」というのがわかったので、言語化に関して、ちゃんと練習の機会を作っていこうかなと思っています。