考える練習

舞台やイベントの感想など

リーディングシアター「アドレナリンの夜」 10/7(土) 17時回 感想 ※ネタバレあり

ホラーは正直苦手なんだよな~、でも推しが出るならみたい、、ということでチケット取ったんですが、思ったより怖くなくて助かった。

実をいうとホラー自体は嫌いじゃないというかむしろ好きで、子供の頃は夏場の怪談特集とか喜んで見たり聞いたりしてたんですけど、見た後しばらく生活に支障をきたすんですよね…。お風呂場で目をつぶる時とか夜、電気消した時に急に怖くなったりしてしまうので、それがしんどくて避けるようになりました。話題になってたりするとすっっごい気になるんですけど、でも見ない!(笑)

ただ今回、怖いの苦手な人向けの演出バレみたいなのがまわってきていて、後ろにうつる映像が怖いという情報があり、途中からほぼそこ見ないようにしてたので、そのおかげで怖さがだいぶ減ったというのがあります。

なので、本来見るべき部分をある意味見ずに鑑賞したことになるので、完全体での感想とは言えないかもしれない。。

冒頭

後方から客席通路を通って貞子っぽい見た目の女性が登場。私はこれ演出バレ読んで知ってたので、「おぉ、これが噂の」みたいになったんですが、知らなくて通路席座ってたらめちゃめちゃびびりそう。
そのまま壇上にあがり、ピアノのところに座る女性。で、この方、そのままピアノを弾きます(笑) これ知らなかったら絶対、いやお前がひくんかいってなるよな…(笑)

その後キャスト4人が登場。全員おそろいの黒のカッターシャツとパンツ、靴も黒。どこまでボタンあけるか腕まくりするかどうかなどは各々に任されてるっぽい。

各々名前を名乗りつつ、案内人のような感じで世界観を説明。この後、話が始まったらもう後戻りはできませんよ、みたいなやつ。推しのビジュアルがよすぎたせいか、なんかあんま頭に入ってこなかったので、だいぶおぼろです(笑)
役名じゃなくて、それぞれの名前を名乗りながらなんですけど、でも別に本人人格ではないなって感じの喋り方だったので、なんか不思議な感覚だったな。パラレルワールドに放り込まれたみたいだった。
全員いったんはけて暗転。

最終話の「台本」は4人全員での朗読で、それ以外はすべて一人での朗読でした。
ところどころ、他の役の録音でのセリフが入ったりはするけど、壇上にいるのは一人。

真夜中の恋人(加藤大悟)

気に入って聞いていたラジオが実はあの世からの放送だった、という話。わりと早い段階からオチが読めてしまうのがちょっと残念。話の構造としては定番だと思うんだけど、通常こういうのどうしてるんだろうな。

ただ、あんなに気に入っていたラジオなのに、あの世からだとわかった瞬間から恐怖の対象になってしまうのはおもしろいなと感じた。

深夜の警備(定本楓馬

防犯カメラの映像があることによって怖さが増す感じがよかったな~。
この話で、なるほど、後ろに怖いのがうつるってこれか、というのを学習。

エレベーター(廣野凌大)

残業で遅くなり、さて帰ろうとエレベーターに乗ったら止まってしまい、、という話。
今日遅くなるからさ~と電話してる相手、てっきり一緒に住んでる彼女かと思ったらお母さんだったところが一番意表を突かれたかもしれない(笑) お母さんに対してそんな甘いトーンで電話してるんですか…!?(どこに驚いてるんだよ)
最終退室でエレベーター乗る時の不気味さに共感してしまった。暗い中にぼうっと光るエレベーター、異界への扉っぽさが半端ないんだよな。
途中で乗り込んで来た人と面識がなさそうなのに、食堂で普段何を食べてるかを把握されてるところから、これはストーカー的な方向の話なのかなと思ったら全然関係なかった。

エレベーターが止まった理由、飛び降りのせいで止まりました、なんて言われたらまだ閉じ込められてる状態の人が震え上がってしまう、下手したらパニックになる可能性もあるから、普通そこらへんって濁すんじゃないのかなぁ、、というのがちょっとひっかかってしまう。しかもすぐに名前がわかるのもおかしくない? まだ現場を誰も確認してないのに…。いやそれとも上の階には人がいたのか? それはそれでその人止めなかったのか?ってなるからちょっと無理あるよな。

ビデオレター(安元洋貴

妻の母からの息子宛のプレゼント、なぜか知らない女の子宛のプレゼントも同封されており、、というところから始まる恐怖。
この話はわりと好きだったかも。最初同じく怖がっていた妻も女の子が見えるようになったらナチュラルに受け入れているのが怖い。

麻酔(加藤大悟)

最初、霊魂が離れてなくて、まだ自分が生きてると誤認してるパターンなのかなと思ってたんですが、焼かれる時に感覚が残ってたぽいのを見ると、仮死状態で死んだと誤診されたけど、実は生きてたパターンなのかな…?
葬式で動きだして、実はまだ死んでなかったことがわかる、というのは実はあるある(というほど多くはないと思うけども)らしいので、こういう不幸な事故もあったんだろうな…と思いつつ見ていた。
菊の花に気づいたあたりからの絶望感がつらい。

ドライブ(定本楓馬

これも早々にオチが見当ついちゃうやつだけど、お嬢ちゃん"たち"…? からの緊迫感がよかった。

隣人(廣野凌大)

廣野くん、メガネを外して登場。あんちゃんって感じの役だったので、役作りの一環?
飲み会で友人とわいわい話してるシーン、「かんぱーい!」とか「なーい!」とか、もはやマイクなくても後ろまで届くだろレベルのデカボイスでめちゃめちゃ元気よくてかわいかった。
録音音声の「俺なんて7万で3畳だよ」にぼそっと「高すぎだろ」ってつっこんでて笑った。

いわくつき物件ではないとは言うが、明らかに安すぎる家賃、隣人がうるさいんですよね~というあたりで予想はついてしまうけれども、ここも「真夜中の恋人」と同様、存在しない人たちの声であることに気づいた時から、意味合いが変わってしまうのが面白かった。

インターホンが鳴った時の、確実に何かが起こる、でも行かないわけにも行かない感。毛布を被って恐怖に怯える声、ラストの絶叫、とても良かった。

ホテル?(タイトルが不明) (安元洋貴

撮影のためにホテルに泊まったはずが、廊下は医者や看護師が走り回っており、これは悪い夢だ…と眠るもまたしても同じ夢を見てしまう…という話。
撮影のためにというのが妄想で実際は精神病院の入院患者とかなのかな?と思ったんだけど、どうなんだろう。

台本(4人全員)

ホラーの朗読劇バトル?に出ることになっているが、なんと当日朝になっても台本が出来上がっていない。苦肉の策として、いわくつきの台本で本番を迎える4人。

いわくつきの台本で演じている時に、途中から1人幽霊が紛れ込んでくるのだが、「え?今誰か喋った?」とか普通に言うので練習中なのかと思いきや、本番中設定だったので困惑した。本番中だったら、変に思ったとしてもまずは目配せとかからでは?と思うんだけど、まぁ一応朗読のていなのと、ここ確か地の文が消失してたので、仕方ないといえばないのか…。

台本上では4人が1人を崖から突き落としたみたいな流れで、「俺らの境遇と酷似している…!」みたいに一人が震えだし、それに対して「まぁ俺らの場合は突き落とすんじゃなくて舞台上で事故にみせかけてセットを倒しただけだけど…」みたいなセリフがあり、そこに「本番中にやめろよ!」というつっこみがくるのだが、(まじでそれww)みたいな気持ちに…。今が本番中だという意識ありますか??そりゃ売れないわ(マジレスすな)

事故に見せ掛けて殺した相手に同じやり方で殺される、というのは構造が綺麗で話の大枠自体は好きなんだけど、そういう細かいところでのひっかかりが気になってしまった。

あと客席を取り込みたいのかそうじゃないのかが中途半端だなと感じた。「お客さんだって危ないだろ!」みたいなセリフがあり、客電もついていたので、あ、ここでは私たちがそのバトルの観客設定だったのか、と気づいたのだが、気づいたらその世界に取り込まれていた感じも別になかったので、うーん、、となってしまった。

白づくめの男たちが4人それぞれについたのは死神みたいなこと…?と思ったけど、無駄にインパクトあるわりによくわからんので、あれは正直なくてもよかったんじゃないかな…と思ってしまう。深い意味があったらすみません。

ラストのセットがばーんと倒れてくる仕掛けも、おもしろいけどいまいちかっこよく決まりきらない感じだった。たぶんあれ、映像作品なら、ぐらぁっとセットが倒れてきたあたりでブラックアウトで終了なんだろうけど、演劇でやろうとすると難しいんだなと思う。倒れだしたあたりでどうなるかはわかるから暗転しちゃえばいいのでは?と思うんだけど、安全確保の問題でできないのかな。セットが倒れた後も明らかにまだそこに立ってますって感じになっちゃうからちょっと間抜けで惜しかった。

ただ、頭上をよぎるセットに肩をすくめ、倒れた瞬間にびくっとなってた推しが見られたのはよかったです(?)

カテコ

1人ずつ名乗ってコメントする時間がありました。

廣野くんのターン、最前のお客さんに「怖かったですか?」っていきなり聞き始めて笑った。うなづくお客さんに「ごめんね〜」と返し、今度は全体に「怖かったですよね、ごめんね〜」とかやっていて、隣の安元さんに自由だな…みたいなことを言われてた気がする(笑) 握った右手を心臓のあたりにあて、「(怖いの見て) 死後硬直みたいになってるかもしれないから、ほぐしとかないと」。

安元さんのターンで、セットが倒れてくるのが怖い、という話になり、「俺けっこう肩幅あるから、左肩持ってかれるんじゃないかと思って怖かった」。
ウケる廣野くん。
楓馬くんと大悟くんが「見てる方も怖かったよ」と話してました。

廣野くん、さらにはけぎわにも「お風呂場に気をつけて」と謎の一言を残しながらはけていったのもおもしろかった(笑) せっかくほぐした心をまた固めないでもらっていいですか?

廣野くんの演技への所感

まずはビジュアルについて語りたいんですけど、ハーフアップに丸メガネ、シャツは第二ボタンまであけて、腕まくりというスタイルだったのでちょっと色気がやばくてですね…。上でも書きましたけど、あまりにもどストライクすぎて「わああ」ってなってしまって、冒頭あんま頭に入ってこなかった(笑)

朗読の話に戻ると、ちょうど先週の個人イベントでセリフの立て方の話を聞いたところだったので、「あぁ~これが!」みたいになってなんかすごい気持ちよかった。邪魔にならない絶妙な抑揚が。

メガネかけて登場、「隣人」では外しており、「台本」では再度かけて登場。「隣人」では役作りかなと思ったけど、「台本」で再度かけていたのが微妙なところ。カテコもあるからそのためかな~という気もする。台本とかバミリとかは見えるけど、客席は見えないぐらいの視力な気がするんだよな。

違和感からだんだん膨れ上がっていく恐怖、よかったな~。速度も感情のボルテージも上がっていく中でも聞きやすいのはさすが。

「引き抜きの話、断るつもりだったんだよ」ってところでちょうど横顔だったんだけど、まさかの真実を聞いて固まった顔がとても美しかった。