考える練習

舞台やイベントの感想など

悲伝がささらない理由

当初はわからないからだと思ってたんですが、結局、話を理解した今となってもささらない悲伝。たぶんこれが原因なんだろうなぁというのが整理ついたのでメモがてら。

※三日月が好きな人はたぶん読まない方がいいです。

悲伝という作品は主線としては、「三日月がやってることは本丸(orメンバー)のためであるということをほのめかすメッセージはばんばん出てくるが、実際にやってることはメンバーを傷つけることばかりで、守るためだという点の描写がない」作品で、じゃあその点をどう飲み込むのか?というのが個々人に託されるんですよね。

まぁ要は「きっとそうなんだ」と信じてしまうしかなくて、そうなると、三日月が好きな人はおそらくそうしやすいんですよね。実際、まわりでも三日月が好きな人はだいたいすんなり理解していて、よくわからないって言ってる人はだいたいnot三日月推しでした。

で、私はどうだったかというと、もともと初演段階から、三日月に興味がなくて。何考えてるのかよくわからないし、殺陣見てると肩こるし*1、でどちらかというと苦手でした。

原作ゲームで見ていたときも特にハマらず、「このキャラ人気なんだねぇ」という認識。

でもこれまでは支障なかったんですよね。登場シーンがとても少なかったから。悲伝を理解するために過去作見直した時に、セリフの少なさに驚いたぐらい。

あとポエミーな言い回しもたぶん苦手だった理由なんだろうなと今振り返って思う。 過去作見直した時に、こういう台詞回しを悲伝でもしてるならたぶん意味取れてないぞ…と思ったら、福岡で見た時に、三日月のセリフで本当に意味取れない箇所があることがわかって(まじかよww)ってなった。ライビュでようやく聞き取れた時は嬉しかったですね~。すごいすっきりした。

で、そういう、あんまりいい印象を持ってないキャラが、よくわかんない行動を取ってる訳ですよ。「きっと理由があるんだ…!」どころじゃない、「こいつ何がしたいの??(困惑)」という感じ。

初日はまだ、衝撃からか、(え、三日月、ずっとこのままなの…?)ってちょっとかわいそうには思ったようなんですが(メモが残ってた)、もともとあんまりいい印象持ってないキャラが、よくわかんない行動を取ってることがより明白になってくるにつれ、(こいつまじで何がしたいの…?わからん…)という気持ちに。

一回、ぐぐっと三日月の気持ちに感情移入してみて、あ~こういう気持ちになるのか~っていうのをやったので、多少はそのうさんくささ解消されましたが、まぁもとがマイナスからなのでね…。そりゃささらんよなぁという。

とはいえ初見でわからないのは駄目だと思いますけどね。ささる/ささらないは仕方ないけど、そこは今後気をつけて欲しいなぁ、という祈りをこめて締め。

*1:他作品の殺陣は大丈夫だったから、ステ三日月の殺陣が駄目なんだと思う。ただ悲伝では肩の力みがだいぶ減って見やすくなってました

田中尚輝くんがすごい! - 舞台「炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース」3回目

行くたびに書くの楽しいですね。日報みたい。ミラステ3回目の感想です。

初日はあえて持たずに、そして月曜は突発的に行ったので、双眼鏡なかったんですが、今日はばっちり持っていって、表情見づらいところを見てきました。

タイトルにも書いたんですけど、尚輝くんファンの方で、もしなんとなく避けてる方いたら、ぜひ行ってみてほしい…とてもいいお芝居をしているなぁと、双眼鏡ごしに表情もはっきり見てあらためて思ったので…。 ただ、設定や世界観がまったくわからないと厳しいと思うので、桑原水菜著「炎の蜃気楼 昭和編 紅蓮坂ブルース」あたりを読んでいくと、今作で舞台化されてる部分は読まずに、だいたいの設定とか人間関係とかがざっくり把握できるかなと思います。

座席

今日どこだったっけな~ってチケット見たら昨日座った席とほぼほぼ同じところで笑ってしまった。まぁ今日は双眼鏡ある分違う景色なんだけどさ…

本日の発見

双眼鏡ごしだったのでいろいろ発見がありました。

「これであいつが俺のものになった…」っていうところ、てっきり笑ってるんだと思ってたら、違った。どっちかというと呆然としているというか…呆けたような表情だった。もしかしたら変わった可能性もあるけど…。

「今度こそたどりつこう、お前と俺の、最上の場所へ」ってところも笑ってるんだと思ったらそうでもない表情だった…。ただ、1回、泣き笑いのような表情になってたんだよな~。

鉄二の額についてるビンディー、宝石みたいなやつだけはっつけてるんだと思ったら、なんかまわりも線?みたいのが走ってて、根付いてる感じなんですね。今日は鉄二出てる時はだいたい鉄二定点してたんですが、鉄二の時は超かわいい…。ほっぺたふくらますところを双眼鏡ごしできちんと確認できて満足。一方で信長が乗り移ったところの貫禄がすごい。目つきが最高。「不遜だな」って言って流れで顎で指示出すところもとても良き。

あと、高坂、わりと焦ってますよね。これまでは手を貸してるようでまだ中立って感じだったけど、今回は明確に上杉側に勝ってほしいのかなという印象がある。

本日の気持ち

直江がやられたことを知って、景虎がブチ切れモードで殺陣やるところが、それだけ愛してたんだなぁっていうところがすごく切なく感じた。 その前の殺陣も景虎無双って感じですごいかっこいいんだけど、ブチ切れモードの時は鬼神が降りたかのようで、刀がしかるべき場所に吸い込まれていくような、勢いと美しさがあって、すごいなと思う。 思いのまま、本能のままに振り回しているように見えて、芝居としては当然、相手を傷つけないようにきっちり間合いをはかってやっている訳で、そのあたりの技術にも感嘆する。

キャストコメント

翔さん「今作から初参加で、難しいところもあったと思いますが、ひたむきな姿勢に助けられたりしました」みたいなフリで、(お、これは…!)と思ったらやはり、田中尚輝くん。「ひょおおお」みたいな驚き方をしていてかわいかった。

尚輝くん:ほんとに(事前に)言われないんですね…! コメント言う時はビンディーつけてこようと思ってたのに…(と額見せ) えー恥ずかしい。

他キャスト:いつもつけとけばいいのに

尚輝くん:いや僕は加瀬さんの味方なので…! ミラステは独特で深くて、「愛」「死」「生きる」であったり、こういう作品が初めてで、稽古場での先輩方の芝居への姿勢だったり、本番での盛り上がり具合だったり、勉強させてもらってます。こういう役なので、どうなのかなと思ったのですが、みなさんに受け入れられてるのかな~と思ってますw

という感じの内容でした。メモから書き起こしたけど、けっこう抜けてるのでざっくり取ってください…。

「足が…!」って震えてることを示してくれたり、かわいかった…。一方で、「受け入れられてるといいな」ではなくて、「受け入れられてるのかな~と思ってます」って言ってたのが、謙虚な自信って感じでよかったです(小並感)。いや実際めちゃくちゃよかったけど。ああいうのって客席の反応からわかったりするのかな。

あと喋ってる間、隣の鐘ヶ江くんが半身尚輝くんの方に向けて、じっと見てたのがかわいかったです。

アフタートーク

翔さんだったかな?「ハンドウがうんうん真剣に聞いてるのがおもしろいなと思って…」って吹き出した人がいたw ハンドウ(役の林修司さん)が司会なのは恒例なのでもはや慣れてしまったけど、初参加の人たちには驚かれたらしい。翔さんの「せめてリーさんがいいよね」というフリから、一瞬リーさんにw(夜叉衆ブギウギでその役も兼ねてた)

印象に残ってる話を箇条書きで

  • 翔さん「今作の初日開演前の空気感は、夜啼鳥ブルース以来の感じだった」

  • 鐘ヶ江くん(心がけてること)「信頼できる先輩方とのお芝居なので、新鮮に新鮮に、リアルに、ちゃんと相手の言葉を受けて返すということ、あまり同じ芝居にしようとしなくていいかなと。」「殺陣でも、次かかってくる人の方向を見ないようにしてます。かかってきたから受けるので」

  • 平牧仁さん(出る前に緊張するかどうかみたいな話で)「ミラステってすごくお客さんが見てくれるじゃないですか。お客さんに見られてると集中度合いがあがるので」翔さん「だから本番でのびるのか」平牧さん「特に変えてるつもりはないんですけどね」

  • まあささん「なんだっけ、『お待たせ、景虎』みたいなセリフあったじゃん」翔さん「そんなセリフあったか!?」※正解は「待たせたな、大将」

  • あまがみして「のぶなげ」と言ってしまうハンドウと「かげとろ」と言ってしまう直江。その後言い直すもさらに「景虎さん」翔さん「俺のいないとこではそう呼んでるのか…?」

スーパー鐘ヶ江タイム - 舞台「炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース」2回目

本来は明日が2回目になるはずだったんですが、フォロワさんと「推しが行くなら今日か明日ですよね」という話をしていたところに、AXY行ってきましたツイが来て(正確にはAXYさんのツイートがあった)、あれ?これまじで今日来ちゃうのでは?となって行ってきました。

スーパー鐘ヶ江タイム

前回書きもらしたやつ!前作でも鐘ヶ江くんの高坂とてもよかったんですが、今回もよかった~!いやらしい感じの台詞回しが最高。緩急の付け方が素晴らしい。説明セリフが多いんですが、それもすっと頭に入ってくるし。

2回ほどがっつりアクションするシーンがあるんですが、くるくる回り、かわしつつ、ばきばきの蹴りや殴りが入り、鐘ヶ江くんの身体能力をフルにいかすアクションでとても見ていて楽しいです。

今作では刀持つシーンもあるんだけど、そこがまた所作がきれいで…。作品が作品だからって避けてる鐘ヶ江くんのオタクがいたら食わず嫌いせず見て欲しい…。ただ、今作から挑戦する場合は「紅蓮坂ブルース」あたりを読んで、設定や世界観とこれまでのざっくりとしたあらすじをつかんでおいたほうがいいかもしれない。

ここからネタバレ含みます

田中尚輝くん

今作から参加の尚輝くん。鉄二似合いそうだな~。と思ってたら、鉄二信長に乗っ取られるんだよね…!話知らずに行ったからまじでびっくりした。本当に信長が乗り移ったかのような、貫禄っぷりですばらしかった…。 今パンフ見たら、稽古場に寝っ転がってた理由がかわいかった(笑)

全体の感想

平牧さんのボルテージがUPしていました。 本当に壊れてしまうんじゃないかと思ってドキドキした。

前回見た時はラストの「今度こそたどりつこう、お前と俺の最上の地へ」っていうの聞いた時に、景虎の切ない願いみたいなのを感じて、すごく切ない、悲しい気持ちになったんですが、今回は景虎様が儚いながらも笑顔だったのもあってか(あれもしかして前回もかな?)、希望を感じました。

その後の上杉謙信の「行きなさい、光のさす道を」みたいなセリフがすごく慈愛に満ちてるのがさ~。もうきゅんときてしまった。

換生直後あたりからの色部さんとのやりとりとかから、なんか幼子みたいだなぁと思って見てたところから、このシーン見ると、本当に父と子って感じだなぁと思って。

悲伝の時もそうだったんだけど、何回も繰り返す、みたいなのに対して、絶望よりも希望を感じてしまうのはなんでなんだろうな?と思ってて。私の気質なのか、それとも感受性がなんか妙なのか…と思ってたんですが、その時にいつも思い浮かぶセリフがあって。 「何度だってやりなおしてみせる」みたいなセリフが響くんですよ。これ何の作品から来てるんだろうって考えてて、今日ようやく思い出したのが、野梨原花南先生の「ちょーシリーズ」。(ちなみに集英社Cobalt文庫です。ミラージュと同じレーベルw)

中学生の頃にドハマリしたシリーズなんですが、その中に王子にかけられた呪いを王女がわりと力づくで解くシーンがあって。解いた後に王女が言うんですよ。「あんたは何度だって呪いにかかればいいわ。何度だって私が解いてあげる」(※手元にないんで細かいとこ違うかもしれない。) めちゃくちゃかっこよくないですか!? たぶんこの印象から私の中で「何度も繰り返す」=「愛が強い」みたいな図式ができちゃってるんですよね。

だから何度も繰り返してるっていう状況を聞くと、「つ、つらい…」というよりも「それだけ思いが強いんだ…!」というのが先行してしまうのかなぁと。まぁあと、やり直せるって希望じゃない?って思ってしまうのもあって…。

それで絶望って感じにならないのかもなぁと思ったりしました。

そういえば、美奈子が直江に対して「もうわかった、わかったから」っていうのが、何がわかったんだ??と思ってたんですが、直江が景虎を愛してることかっていうのに気づいて、それを美奈子が「わかる」ということは…と考えて切なくなりましたね…。 美奈子を通して景虎を抱いてたってことでしょ…悲しすぎる。 「かきだしてやりたかった」とかなにげにセリフはとても生々しいんだけど、悲痛だよな~。

カテコ挨拶メモ

今日は色部役の笠原紳司さん。 「座長優しいから『今日、紳さんお願いします』って言ってくれたので、スムーズにしゃべれます」って言うのを聞いて、佃井さんがほっぺた膨らませてたw 座長が毎回、これまでの公演は忘れて、この後の公演も忘れて、出し切りましょう、というので、本当は駄目かもしれませんが、次、声が出なくなってもいい、という思いでやっています。という感じの内容でした。

本当に来た

カテコで翔さんが「これまで演じてくれた人たちの思いも乗せて」みたいなことを言っていて、「もしや…?」と思ったら本当に見に来ていた。ちらっと帰っていく姿が見えたんですが、同じ空間にいたんだなぁと思うとなんとなく嬉しいですね。

未来へ - 舞台「炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース」

これまではミラステ、舞台化される部分は読んでから行ってたんですが、今回なんとなく機会を逸してしまい、ならもう未読で行っちゃおう!と思って舞台が初見で行ってきました。

新鮮な驚きがいっぱいで、死んだね。うん、死んだ。

ネタバレしない感想としては、
一幕終了後:うわー、地獄だな…。
二幕終了後:うええええ(泣く顔文字)

でもめっちゃ面白かった!(説得力ZERO)

なんだろうなぁ、こうするしかない悲哀というかなんというか。そこにしかたどり着けない悲哀があった。

あとBSP組がいい芝居してたので、ためらってるファンの人がいたら行ってほしい。

ここからはネタバレします。






スぺゼロでミラステのあの、ぎゅっ、と集中する感覚って出るのかなぁとちょっと心配してて、一幕は実際ちょっと拡散気味だったかな?(普段に比べて)と思ったけど、やっぱり最終的には集中する感じになってて、さすがだったな~いやほんとミラステって独特の集中する空気感ありますよね。


今回は話の展開を知らずに行ったので、もうね…驚きがいっぱいでしたね。*1

美奈子を犯してしまうのはぼんやり把握してたので、そのシーン自体に関しては(おぉ~きた!)って感じだったんですが、ぼんやり聞いた知識で推測していたので、あれてっきり、景虎が入った美奈子とどうこうなるんだと思ってたんですよ。だから、あっそういうことじゃない!?ってびっくりしたし、妊娠しちゃう上に、「産みます」って言いだすと思わなくて、あそこ怒涛でしたね。直江との子供とか話がややこしすぎるよぅ…って思ってたら、その胎児に景虎を換生させたいって言いだして、関係がもつれすぎでは…っていう。

ここらへんの感想:うわー地獄だな…。

直江がいう「信じすぎたのがいけない」っていうのは本当にそうだと思うんだけど、「あいつならそんな非道なことはする訳がない」という信頼もあるし、ある意味高をくくってた部分もあるだろうな。「あいつが俺を裏切るはずがない」という。

二幕でハッとしたのが、直江と美奈子に何かあったらしいことをマリーの言動から察した時の景虎の第一声が「直江に何かあったのか」なんだよね。あ、そこ美奈子じゃないんだなぁと。その後も直江が傷つけられたことにキレるし、危険をおかして助けに行っちゃうしさぁ…。大好きじゃん…。

前作の時も直江の家が焼かれたことに対して、「俺は今最高に機嫌が悪い」って静かにキレてるのにとてもきゅんときたんですけど、助けに来た時最高に萌えたね…。ツンデレにもほどがある。

んで、ラスト。普通に勝つと思っていたのでびっくりでしたね。いやまさか、負けてしかもほとんどが死んでしまうとは…。

愛する人たちを幸せにできない」っていう景虎の嘆きが悲痛すぎて…。自分がどうしたいかという部分に素直に向き合えば一発で解決すると思うけど、まぁできないからこうなってしまうんですよね。真実と向き合うのはこわい。
「あいつがすべて俺のものになった…」って昏く笑う景虎様が、哀しくて切なかったな…。


「今度こそきっとたどりつこう、俺とお前の最上の地へ」っていうのを聞いた瞬間に考えたのは、あ、また円環に入ってしまった…でした(悲伝脳)。なんなの?円環はやってんの??*2

お隣の方がラストシーン以降、泣きを止められなくなってしまっていたけど、わかるわ…って感じだった。私自身はそこまでではなかったけど、ずっと原作好きで追ってきて、これ見せられたら泣く。

あぁこれはスタオベだろうなと思っていたら3回目のカテコでスタオベになり、それを見た翔さん、「そんなにお尻が痛かったのか?」。両隣の直江とマリーが崩れ落ちてた(笑)。でもこれによって会場も笑って力抜けたし、平牧さんがずっと、魂が抜けたような、でも険しい表情だったのが笑顔になったのがなんかほっとしましたね。

ダブルカテコ時の挨拶は直江役、平牧さん。
このような愛に溢れた作品に出させていただき…
お客さんの心にもそういったことが残っていればなと思います。
みたいな内容でした。

なんだろうな~いっぱい受け取ったな。BSP組の話とかもしたいんだけど、また後日…眠い。

*1:そういえばやどかりボレロは舞台用の新作だったから、あれも舞台で初見でしたね

*2:追記:まぁミラの方が先なんですが(笑) 冗談に注釈つけるのも野暮かなと思って省いてたんですが、誤解を招いてるようなので追記しました。

三日月の動機について考えたこと

ネタバレを含みます!







いろんな人の感想読んで、
自分が第一幕で得た印象と、考えたことなどをあわせて、
おそらくこうだろうなとは思いつつ、腑に落ちないんだよな…と思っていた。


おそらく、三日月の動機は「本丸(と本丸のメンバ)を守ること」なんだと思う。

小烏丸が何度も形を変えて言うのは「これまで三日月がしてきたことを信じろ」ということ。そして、骨喰は「三日月は敵じゃない」と言い、燭台切も「三日月さんは敵じゃない」と言う。「殺してしまおうと思えばできた。でもしなかった。」

そして、極めつけは鈴木拡樹氏が深センでのトークショーの際に言ったとされる、「愛なんですよ」ということ。

これだけ情報がそろえば、そういうことなんだろうとは思う。
しかし、腑に落ちない。

燭台切を斬るのは「まだ折れるわけにはいかない」から。そして、そこで折れるわけにはいかないのは、山姥切との約束の地点まで行く必要があるから。

しかし、約束の地へたどり着きたいのは三日月ひとりの願いなわけで、そこにたどりつくために他のメンバを傷つけるのは、ただ自己中な振る舞いにしか見えなかった。

(ループに閉じ込められてるのは確かにかわいそうだけど、自分の願いのために他のメンバ傷つけてるじゃん…? まぁまだ意味取れてない箇所あるし、見落としかなぁ)と思っていた。


でもふと、これだけ振り返って考えて答えが出ないの、もしかしてここも「描写されてないポイント」なのでは?と思い、どういう描写があればつながるのか考えてみた。

「三日月の行動は本丸(およびメンバ)を守るため」というのと、「約束の地へたどり着くために本丸のメンバを斬る」というのが矛盾していて腑に落ちない。

じゃあ、「約束の地で、山姥切にループを断ち切ってもらうことが、他の本丸メンバを救うことにつながる」んだとしたら?

これならつながる。それなら、燭台切を斬った行動も、最終的には本丸を救うことにつながる。

しかし、ここを伏せるの、勇気あるというか蛮勇というか…と思ってたんだけど、これ要はループを断ち切った場合に何が待ってるのかという話で、説明入れるならラストの手合わせのところなんだよね。そして、私が意味取れてない箇所の一つが、そこ。

……ということは聞き落とし・読み落としの可能性があるなぁ~というところでオチです(笑)

悲伝でもやもやする理由

もやもやする人って要は結末に納得がいかないからでは?という意見を見て、そうなのかなぁと思ってたんだけど、いや、違うな…と気づいた話。

もやもや整理記事書いて、もやもやポイントを切り出してすっきりして観劇にいどんで、でもやっぱりわからなかったなぁとなってて(その感想はこちら)、納得いってないからなのかな、それなら時がたつのを待てばいいだけではあるけど…と思ってたんだけど、結末で「えぇ!?」となった小説があったのを、ふと思いだした。

ネタバレになるからどの作者のどの小説なのかは伏せるけど、苦難を乗り越えてたどりついたところで、彼らが選んだ結果が予想外で、「あれだけあんたら苦労したのにそっち選ぶの!?」ってすごくびっくりしたし、そこそこ長編だったからこれまでドキドキしながら読んできた私の気持ちは…みたいな気分にもなったんだけど、別にもやもやはしなかった。

なぜなら、彼らがそっちを選んだ理由が明確だったから。

めちゃくちゃ自己中な理由だったから、「いや、え、え~~~!?」とは思ったけど(笑)、そうか、、うん、、まぁそうね、、なら仕方ない、、みたいな感じになって、肩透かしくらった感じはめちゃくちゃあったけど、「なんでそっち選んじゃうの!?」ってもやもやした記憶が、別にないなと。 だってそっち選びたいんだもんね。仕方ないよ。 迷いなくそっちを選ぶ彼らに爽やかさすら感じた。

っていうのから考えると、やっぱりもやもやする理由は「結末が納得いかない」より、単純に「なぜそれを選ぶのかがわからない」からなんだろうなぁと思う。そもそも「そうなっちゃった」のは何回か見てれば「わかる」からなぁ…。

その作品も時間SFで青春モノだったので、その関連で思いだしたのかなと思うんだけど、ちょっとすっきりしましたという話でした。

余談:三日月定点してみて気づいたこと

三日月を定点してると、わりとずっと葛藤してるんだよね。事件発生までは、本丸の仲間たちといる時はきゃっきゃしてるんだけど、事件発生後はずっと葛藤してる、もしくは思い悩んでる表情をしている。

これまでなんとなく、三日月は「神様」として見てたから、そうか「人間」なんだなというか。彼らは設定上「つくも神」だから、神様なんだけど、刀ステでは人間と同じような心を持った存在として 描かれてるじゃん? その中で三日月だけ、そうじゃないように見えてたんだけど、そうか三日月も同じなのかと思った。

まぁ結局、三日月特有のポエミーというか、遠回しな喋り方が始まると思考を追えなくなってしまうので、三日月の気持ちはわからないんだけども。

悲伝見て、わかったところとやはりわからないところと

北九州公演7/5(木)夜公演見てきました~

早めに行ってトレーディングしようかなと思っていたのに開演3分前に劇場到着するというぎりぎりっぷりをかましました。飛行機が遅延したのもあるとはいえ、のんびりしすぎた…。パンケーキおいしかった。

18時ちょうどに大雨による避難準備の警告?がきて、各々のスマホがいっせいになりだしたのはびびりました。タイミングがぴったりすぎた。たぶんそこでもう開演時間だ、ってなったのと、これは携帯きっとかないと鳴るぞってなったんでしょうね、もうちょっとしてから鳴ったのは数台でした。「この人まだ電源切ってません」サインとして機能してしまってたのおかしかった。今公演での電源切ってる率めっちゃ高かったと思う。

なかなか始まらなくて、客入れ手こずってるのかなと思ったら、その警告が来たために一時開演を見合わせていたというアナウンスが入りました。ただ、該当地域ではなかったとのことで、しばらくして普通に公演始まりましたが、あれはちょっとドキドキした。



明治座で見た記憶をもとに考えてて、三日月が何考えてるのかわかんないなってなってたんですが、今回見てて「あっ!」ってなったのが、鵺と会話してるところ。

三日月も義輝の刀なのに!って言われて、「俺を使ってはくれなかった…!」って言うところが、悔しさかな?使ってほしかったのに使ってくれなかったって気持ちがすごく入ってるのを感じて。
あれ明治座の時はもうちょっとクールに言ってた気がするから、感情をよりこめるように言い方変えたのかな?って気がするんですが、守るために戦いたかったっていう気持ちがすごく伝わってきて。ぐっときました。
その後、縁あって今の主に…みたいな話があって、三日月は守りたかったのに守れなかった、それを今生で果たそうとしてるのかなって。そう考えると、あぁそうか鵺はそういう意味でも三日月と対比されてるんだなと。そこに思い至ると、義輝を守ろうとする鵺の行動によりグッとくるものがあって、ちょっとうるっときました。

あと鵺を逃がす理由として、歴史を変えられるのか?というのに加えて、自分が守れなかった義輝を守ってほしい、というのもあるのかなとも思ったり。

「徒労ではないのか…?」のところも前より感情がこもってて、重苦しいほどの雰囲気にずしっとくるものを感じました。


上記の「わかった!」があったので、今回はいけるかな?と思ってたら、二幕に入ったら相変わらずよくわからず…。三日月の気持ちでいうと義輝との会話のところがわかりやすいですよって言われてたんですが、上記のアハ体験以上の情報は得られず…というか途中から追えなくなっちゃったんですよね。末満先生のセリフと相性悪いのかな…。
「それもまた刀よ!」でめちゃくちゃ圧こもってたからなんか伝えたいんだろうなってのは伝わったんですが、ここもよくわからなかったな~。なんかつかみきれない。

話整理できたところであらためて見て思ったんですが、悲伝、めちゃくちゃ情報量多くない? あと場面切り替えが多い。ちょいちょい「んん…?」ってついていけなくなりそうになっては、いやもうわかってるから適当に聞こうってあまり考えすぎないようにしてやっと感情面が追えるみたいなところがありました。あと、殺陣の間に(これ今どういう状況だったっけ…?)って思い返ししたりしてた。


最後の三日月vs山姥切のところもなんかうまく追えないんですよね…。意味内容を考えてると置いていかれてしまうし、流れるがままに聞いているとよくわからない。

しかも今日のがですね、前みた時と全然違ってて。びっくりしすぎて三日月の最初のセリフ意味取れなかったよね(笑)

あ、思い出したからメモっとこ、小烏丸の登場は白三日月が登場したすぐ後。

三日月がめちゃくちゃ感情こもってて、「未来につなげたいんだ!」みたいな感じで、なんだろうな、ちょっと怒ってるというかいらだちをぶつけてるみたいな感じになってて、山姥切は逆に前回より落ち着いた感じになってて、(入れ替わってる…!?) みたいな気分に。

特に「俺たちにできることはなかったのか!」ってところが変わってて、前回見た時はいらだちや怒り、悔しさみたいなのを強く感じたんですが、穏やかに確認するみたいな言い方になってて。(ただ、表情が見えない座席だったので、声のトーンでの判断)。え、三日月が感情こめるようになった分、山姥切落ち着いた??って思ったんですが、その後きりかかるあたりからは前と変わらず激しい感じだったので謎でした。あれその日の気分とかいうレベルじゃなくて演技プランの変更だと思うんだけど、どういう意味合いがあるんだろう…。
山姥切も本当はどうしようもないことはわかってるんですよってことなのかな。

それと三日月が消える時の演出も変わってて、あの神々しい感じ好きだったから、ちょっとしょんぼり。でもぶわって花が舞う(というか散る?)演出も好き。

思い出したやつメモ:
「矛盾している。心とは複雑怪奇だ」
「お前は何と戦ってるんだ…?」
「いずれわかるときがくる」

「その時は俺が勝ってみせる!」
ここも今日ちょっと違ってたな。これはテンションの差かも。

あと、「手合わせ、楽しかったぞ」って笑顔で言う三日月見てたらぶわーって泣けてきた。

花道演出は全部通路演出に…と聞いてまぁそうなるよねって思ってましたが、一部上手通路を通ってになってました。あれは京都もそうだったのかな。
殺陣がからむ部分に関しては、上手から入ることにすると手を変えないといけなくなるからか、全部下手通路からの走り込みでしたけど、殺陣が絡まない部分は全部上手側の横のところから入って中通路通って通路通って舞台にいく感じ(伝われ)。
ただどっちにしろ距離あるから、わりと長い時間通路にいるのちょっとおもしろかった。あと花道走ってる時は思わなかったけど、通路を走られると大般若さんの足の長さが際立ちますね…。

雑感

もう書いてるやつもあるかもしれない

  • ソレイユホール、音圧がすごい。めっちゃ響く
  • 小烏丸が殺陣で刀落として、それを「失礼♪」って言って普通に拾ってたんだけど、それがすごく小烏丸っぽかった
  • まんばちゃんのあぐらからの立ち上がり方が今日は普通だった
  • 今日のおやつはめんべいでした
    • もしかして福岡はずっとこれ?
  • 鵺ちゃんかわいいよ~
    • ひとつきぶりの鵺ちゃんのかわいさの衝撃
    • 「むふー」って感じの顔好き
    • 「きれた…!」って喜ぶ鵺ちゃん
    • はじきとばされてへちゃ~ってなる鵺ちゃん
    • 一転して「身命を賭して…」とすらすらしゃべりだす時鳥ずるい
  • 本丸襲撃時に主が登場するシーン、前は三日月が駄目だ…!みたいなリアクション取ってたように思うんだけど、取らなくなってた
  • BGMで確認したこと
    • 三日月vs山姥切で流れる福音みたいな曲、本丸襲撃で黒甲冑と鵺が登場するところでも流れている
  • 燭台切と戦うのは毎回っぽいけど、鵺が初登場っぽいことを考えると原因は毎回違うのかな