考える練習

舞台やイベントの感想など

悲伝でもやもやする理由

もやもやする人って要は結末に納得がいかないからでは?という意見を見て、そうなのかなぁと思ってたんだけど、いや、違うな…と気づいた話。

もやもや整理記事書いて、もやもやポイントを切り出してすっきりして観劇にいどんで、でもやっぱりわからなかったなぁとなってて(その感想はこちら)、納得いってないからなのかな、それなら時がたつのを待てばいいだけではあるけど…と思ってたんだけど、結末で「えぇ!?」となった小説があったのを、ふと思いだした。

ネタバレになるからどの作者のどの小説なのかは伏せるけど、苦難を乗り越えてたどりついたところで、彼らが選んだ結果が予想外で、「あれだけあんたら苦労したのにそっち選ぶの!?」ってすごくびっくりしたし、そこそこ長編だったからこれまでドキドキしながら読んできた私の気持ちは…みたいな気分にもなったんだけど、別にもやもやはしなかった。

なぜなら、彼らがそっちを選んだ理由が明確だったから。

めちゃくちゃ自己中な理由だったから、「いや、え、え~~~!?」とは思ったけど(笑)、そうか、、うん、、まぁそうね、、なら仕方ない、、みたいな感じになって、肩透かしくらった感じはめちゃくちゃあったけど、「なんでそっち選んじゃうの!?」ってもやもやした記憶が、別にないなと。 だってそっち選びたいんだもんね。仕方ないよ。 迷いなくそっちを選ぶ彼らに爽やかさすら感じた。

っていうのから考えると、やっぱりもやもやする理由は「結末が納得いかない」より、単純に「なぜそれを選ぶのかがわからない」からなんだろうなぁと思う。そもそも「そうなっちゃった」のは何回か見てれば「わかる」からなぁ…。

その作品も時間SFで青春モノだったので、その関連で思いだしたのかなと思うんだけど、ちょっとすっきりしましたという話でした。

余談:三日月定点してみて気づいたこと

三日月を定点してると、わりとずっと葛藤してるんだよね。事件発生までは、本丸の仲間たちといる時はきゃっきゃしてるんだけど、事件発生後はずっと葛藤してる、もしくは思い悩んでる表情をしている。

これまでなんとなく、三日月は「神様」として見てたから、そうか「人間」なんだなというか。彼らは設定上「つくも神」だから、神様なんだけど、刀ステでは人間と同じような心を持った存在として 描かれてるじゃん? その中で三日月だけ、そうじゃないように見えてたんだけど、そうか三日月も同じなのかと思った。

まぁ結局、三日月特有のポエミーというか、遠回しな喋り方が始まると思考を追えなくなってしまうので、三日月の気持ちはわからないんだけども。

悲伝見て、わかったところとやはりわからないところと

北九州公演7/5(木)夜公演見てきました~

早めに行ってトレーディングしようかなと思っていたのに開演3分前に劇場到着するというぎりぎりっぷりをかましました。飛行機が遅延したのもあるとはいえ、のんびりしすぎた…。パンケーキおいしかった。

18時ちょうどに大雨による避難準備の警告?がきて、各々のスマホがいっせいになりだしたのはびびりました。タイミングがぴったりすぎた。たぶんそこでもう開演時間だ、ってなったのと、これは携帯きっとかないと鳴るぞってなったんでしょうね、もうちょっとしてから鳴ったのは数台でした。「この人まだ電源切ってません」サインとして機能してしまってたのおかしかった。今公演での電源切ってる率めっちゃ高かったと思う。

なかなか始まらなくて、客入れ手こずってるのかなと思ったら、その警告が来たために一時開演を見合わせていたというアナウンスが入りました。ただ、該当地域ではなかったとのことで、しばらくして普通に公演始まりましたが、あれはちょっとドキドキした。



明治座で見た記憶をもとに考えてて、三日月が何考えてるのかわかんないなってなってたんですが、今回見てて「あっ!」ってなったのが、鵺と会話してるところ。

三日月も義輝の刀なのに!って言われて、「俺を使ってはくれなかった…!」って言うところが、悔しさかな?使ってほしかったのに使ってくれなかったって気持ちがすごく入ってるのを感じて。
あれ明治座の時はもうちょっとクールに言ってた気がするから、感情をよりこめるように言い方変えたのかな?って気がするんですが、守るために戦いたかったっていう気持ちがすごく伝わってきて。ぐっときました。
その後、縁あって今の主に…みたいな話があって、三日月は守りたかったのに守れなかった、それを今生で果たそうとしてるのかなって。そう考えると、あぁそうか鵺はそういう意味でも三日月と対比されてるんだなと。そこに思い至ると、義輝を守ろうとする鵺の行動によりグッとくるものがあって、ちょっとうるっときました。

あと鵺を逃がす理由として、歴史を変えられるのか?というのに加えて、自分が守れなかった義輝を守ってほしい、というのもあるのかなとも思ったり。

「徒労ではないのか…?」のところも前より感情がこもってて、重苦しいほどの雰囲気にずしっとくるものを感じました。


上記の「わかった!」があったので、今回はいけるかな?と思ってたら、二幕に入ったら相変わらずよくわからず…。三日月の気持ちでいうと義輝との会話のところがわかりやすいですよって言われてたんですが、上記のアハ体験以上の情報は得られず…というか途中から追えなくなっちゃったんですよね。末満先生のセリフと相性悪いのかな…。
「それもまた刀よ!」でめちゃくちゃ圧こもってたからなんか伝えたいんだろうなってのは伝わったんですが、ここもよくわからなかったな~。なんかつかみきれない。

話整理できたところであらためて見て思ったんですが、悲伝、めちゃくちゃ情報量多くない? あと場面切り替えが多い。ちょいちょい「んん…?」ってついていけなくなりそうになっては、いやもうわかってるから適当に聞こうってあまり考えすぎないようにしてやっと感情面が追えるみたいなところがありました。あと、殺陣の間に(これ今どういう状況だったっけ…?)って思い返ししたりしてた。


最後の三日月vs山姥切のところもなんかうまく追えないんですよね…。意味内容を考えてると置いていかれてしまうし、流れるがままに聞いているとよくわからない。

しかも今日のがですね、前みた時と全然違ってて。びっくりしすぎて三日月の最初のセリフ意味取れなかったよね(笑)

あ、思い出したからメモっとこ、小烏丸の登場は白三日月が登場したすぐ後。

三日月がめちゃくちゃ感情こもってて、「未来につなげたいんだ!」みたいな感じで、なんだろうな、ちょっと怒ってるというかいらだちをぶつけてるみたいな感じになってて、山姥切は逆に前回より落ち着いた感じになってて、(入れ替わってる…!?) みたいな気分に。

特に「俺たちにできることはなかったのか!」ってところが変わってて、前回見た時はいらだちや怒り、悔しさみたいなのを強く感じたんですが、穏やかに確認するみたいな言い方になってて。(ただ、表情が見えない座席だったので、声のトーンでの判断)。え、三日月が感情こめるようになった分、山姥切落ち着いた??って思ったんですが、その後きりかかるあたりからは前と変わらず激しい感じだったので謎でした。あれその日の気分とかいうレベルじゃなくて演技プランの変更だと思うんだけど、どういう意味合いがあるんだろう…。
山姥切も本当はどうしようもないことはわかってるんですよってことなのかな。

それと三日月が消える時の演出も変わってて、あの神々しい感じ好きだったから、ちょっとしょんぼり。でもぶわって花が舞う(というか散る?)演出も好き。

思い出したやつメモ:
「矛盾している。心とは複雑怪奇だ」
「お前は何と戦ってるんだ…?」
「いずれわかるときがくる」

「その時は俺が勝ってみせる!」
ここも今日ちょっと違ってたな。これはテンションの差かも。

あと、「手合わせ、楽しかったぞ」って笑顔で言う三日月見てたらぶわーって泣けてきた。

花道演出は全部通路演出に…と聞いてまぁそうなるよねって思ってましたが、一部上手通路を通ってになってました。あれは京都もそうだったのかな。
殺陣がからむ部分に関しては、上手から入ることにすると手を変えないといけなくなるからか、全部下手通路からの走り込みでしたけど、殺陣が絡まない部分は全部上手側の横のところから入って中通路通って通路通って舞台にいく感じ(伝われ)。
ただどっちにしろ距離あるから、わりと長い時間通路にいるのちょっとおもしろかった。あと花道走ってる時は思わなかったけど、通路を走られると大般若さんの足の長さが際立ちますね…。

雑感

もう書いてるやつもあるかもしれない

  • ソレイユホール、音圧がすごい。めっちゃ響く
  • 小烏丸が殺陣で刀落として、それを「失礼♪」って言って普通に拾ってたんだけど、それがすごく小烏丸っぽかった
  • まんばちゃんのあぐらからの立ち上がり方が今日は普通だった
  • 今日のおやつはめんべいでした
    • もしかして福岡はずっとこれ?
  • 鵺ちゃんかわいいよ~
    • ひとつきぶりの鵺ちゃんのかわいさの衝撃
    • 「むふー」って感じの顔好き
    • 「きれた…!」って喜ぶ鵺ちゃん
    • はじきとばされてへちゃ~ってなる鵺ちゃん
    • 一転して「身命を賭して…」とすらすらしゃべりだす時鳥ずるい
  • 本丸襲撃時に主が登場するシーン、前は三日月が駄目だ…!みたいなリアクション取ってたように思うんだけど、取らなくなってた
  • BGMで確認したこと
    • 三日月vs山姥切で流れる福音みたいな曲、本丸襲撃で黒甲冑と鵺が登場するところでも流れている
  • 燭台切と戦うのは毎回っぽいけど、鵺が初登場っぽいことを考えると原因は毎回違うのかな

刀ステ悲伝 時系列まとめ、疑問点整理

※悲伝のネタバレがあります!!
…と一応書いておきますが、今回のは話がわりと複雑なので、1回しか見ない場合、ある程度話を事前に予習してから見に行った方がいいように思います。私のように「理解できてない」人の感想だと混乱するかもなので、「理解してるっぽい」人たちの感想で…。



たぶん、拾える人からしたら信じられないレベルで各種示唆の取りこぼしがあると思うんですが、ひとまず現状の解釈とか感想をちょっとまとめておこうかなと。

友人と話してて、時系列に出来事を書き出したり疑問点を整理したりしてみたら、だいぶ見通しがよくなった感じがあったので、まずはそこから。明治座が終わった次の土日に会って整理した結果なんですが、ブログUPまでにめちゃくちゃ間が空いてしまったよね…。

出来事の整理

作中で起こった順番です。
記憶違いもあると思うので参考程度に。
あと整理と言いつつ、全然粒度がそろってないので本当にメモ状態です(笑)

一幕

  • 永禄の変出陣 / 義輝の死、鵺が生まれる
  • 手合わせ / 鵺、黒甲冑と出会う、出陣(レベリング)
  • Mitsutada Kitchen
  • 三日月、鵺を見逃す ← 光忠が目撃する
  • 軍議
    • 三日月、鵺について知らないフリ
    • 光忠、思い悩む様子
  • 日替わり
  • 骨喰、大般若の月見酒
    • 「足利での三日月はどうだった?」
  • 光忠、山姥切に三日月のことを言おうとして、結局言わない
  • 「肩の荷が下りた」
  • 鶯丸と骨喰
    • 鶯丸「今日の馬当番は俺とお前だ」
    • 握り飯を食べさせようとする鶯丸。困惑する骨喰
  • 本丸襲撃
  • 鵺vs三日月、三日月はやはり見逃す
  • 光忠vs三日月、三日月が光忠を斬り、山姥切がそれを目撃
  • 光忠をかばいつつ、戦う
  • 主が出てくる
  • 長谷部、不動が修行から帰還、極の姿で登場

二幕

  • 残敵の掃討
    • 主、時空を開けて、遡行軍たちを無理やり送り返す
  • 鵺、三日月に「一緒に行こう」と誘う
    • 三日月・骨喰・大般若が一緒に向かう
    • 鶴丸が目撃している
  • 手入れタイム
    • 小烏丸、「お前から見た三日月はどうであった?」と問う
  • 鶯丸、山姥切に命令を乞う
  • (永禄の変)
  • 三日月・骨喰・大般若、義輝と会う
  • 義輝と黒甲冑が出陣
  • 鵺、時鳥と名付けられる
  • (本丸)
  • 伝令を受け取る
  • 三日月の刀解が始まる
  • 三日月の破壊を命じられる
  • 出陣の儀
  • (永禄の変)
  • 伊達刀vs黒甲冑 (光忠鶴丸→小烏丸)
    • 小烏丸「父の助けなど不要であったな」
  • 鵺vs古備前、に長谷部・不動が合流
  • 義輝、三日月を受け取るが、美しすぎるとして使わない
    • 「この義輝を討ち取った褒美として(?)」
    • 「後世まで語り伝えよ」
  • 義輝、骨喰に介錯を頼む
  • スローモーションでの殺陣
  • 山姥切、真剣必殺で登場
  • 三日月vsみんなの構図に
    • 山姥切「待て、俺達はまだ、三日月の言い分を聞いていない」
    • ???「言わないのだから、聞きようがない!」
    • 途中で骨喰が走り込んでくる 「三日月は敵じゃない」
    • 長谷部「いや、敵だ!」
    • 三日月「俺を折るのではなかったのか」
  • 時間軸の崩壊、山姥切が飲み込まれる
  • どこかの浜辺?にたどりつく
  • 小烏丸が登場
  • 白い姿の三日月が出てくる
    • 小烏丸「人の姿をたもつのも限界だろう」
  • 三日月・山姥切
  • 手合わせの記憶を語る三日月
    • 「懐かしいなぁ…紅白戦の時以来か、いや、過去で、未来で、こうしてお主とは何度も刃を交えた」
    • 「そうだ、いつもその目で俺を見た」
    • 「断ち切ってほしい(?)という思いもあり、同時に、その先の未来が見たいという思いもある」
    • 「心とは矛盾している」
    • 山姥切「俺達にできることはなかったのか!」
    • 三日月「お前たちに背負わせる訳にはいかない」
  • 手合わせ、三日月が勝つ
  • 約束 山姥切「次こそは俺が勝つ!」
  • 三日月が消える
  • 小烏丸「心があるから悲しいのに、心に非ずとは皮肉なものよの」
  • (本丸)
  • 日常に戻った本丸
    • 「暇だなぁ…」
  • 大般若「三日月のことを思い出しているのか」
  • 骨喰「修行に出ようと思う」
  • 主が目を覚ます
  • 時は2205年ーの説明が山姥切によって行われる
  • 山姥切「またいつぞや、始めよう」

描写がない箇所

ここは描写がないよね、となった箇所。

  • ループに入ったきっかけ
  • ループの発動条件
    • 三日月の意志?…と思ったけど、それなら断ち切ってほしいとはならないな…

モヤモヤする箇所の整理

こちらの見落としなのか、そもそも描写がないのかよくわからない点がある。
※これを手がかりに理解する、、というよりはモヤモヤ整理のために書いてます。これ書いてだいぶすっきりした

  • なぜ光忠は山姥切に三日月のことを言わないのか
    • 軍議の際に言わないのはまだ理解できる。あの場でいきなり、三日月が怪しいと話題に出してしまうと、一気に疑念を生んでややこしいことになる可能性がある。しかし、その後、山姥切と二人きりの時も、燭台切は口にしない。「近侍の顔になった」と言うわりに信頼していない感じで謎。
  • なぜ三日月は理由を話すことを拒むのか
    • 言っても駄目だった回があったのかな、と思っているが、どうして駄目だったのかの説明がないので、言ったら理解してくれそうなのになぜ?と疑問が残ってしまう。
    • 特にあの本丸の雰囲気だと、説明したら普通に理解してくれそうなだけに、あえて話さない方を選ぶことに対して、最善を選んでない感じがして、悲劇性が目減りする印象。
    • ちなみにまどマギでは、これまでのループで「他の人たちに事情を説明したことでかえってよくない結果を招いた」回があることが描写される。
  • 三日月はちゃんと事情を説明して協力を乞うた方がよくないか?
    • 「お前たちに背負わせるわけにはいかない」のセリフを聞いての疑問。自分だけでなんとかできる自信があるならまだわかるんだけど、これまで何回も失敗してるのになぜ…? という疑問が残る。
    • ただ、これも同じく、説明してみたら、他の人たちがプレッシャーでつぶれた回があったのかもしれない。けれど、描写がないから、それはわからないし、結果、最善を選んでない感じがして、物語のために都合よく動かされてる感を感じてしまう。
  • 三日月は敵じゃない!と急に言い出す人たち
    • このあたりは見落としかもしれないんだけど、骨喰が急に「三日月は敵じゃない!」と言い出すあたりがいまいちわかるようでわからない。その前から骨喰が信じている描写があるので、そういうことなのかなと思うんだけど、なんだろう、何かつながらない。というか腑に落ちない。
    • 燭台切が言い出すのもなんか急。燭台切に関しては「殺そうと思えば殺せたのにそうしなかった」から、という説明があるので、腑に落ちる/落ちないの話ではあるんだけど…。

三日月vs山姥切のシーンでの山姥切の気持ちへの解釈

なんであそこで向かっていくのかがわからないんだよな~となってた時の解釈。

整理してて思い出したので、初見時の感想に、今あらためてその時のシーンを思い出しての解釈。

初見時の見たまんまの印象は、「自分は近時として、主の命令は守らないといけない。だから三日月を折らないといけない。できればやりたくない、でも、やらないといけない。」という葛藤から泣きながら立ち向かっていく、という感じ。

今あらためて山姥切の表情やセリフを思い出しての印象は、「どうすることもできないやるせなさ、悲しみ。救えなかった自分への怒り」
あたりかなぁと。特に「俺たちにできることはなかったのか!」あたりって強い怒りや悔しさが含まれてる気がします。

で、初見時にあとから振り返ってて、あれ?ってなってしまったのが、元々、刀解を確実なものとするために折る訳で、もう弱ってるのわかってるのに折る必要ないよな?という点。ここにひっかかって、じゃあこの印象は違うのかな…ってなってしまって、そのまま忘れていた模様。

「刀解されるぐらいなら、俺が折るっていうことなのかも」って言われて、あぁそういえばそれも考えたなぁと思ったんですが、それならもう少し強い目をしてるんじゃないかなって気がするんですよね。

ただ、このシーンでの三日月のセリフが、おそらく山姥切が斬りかかるきっかけとなるセリフだけどーしても思い出せなくてですね…。他はたぶんほぼ思い出せたのにそこだけ思い出せないのなんでなんだろ。

次回観劇時に確認予定ですが、これがわかったらこのシーンの解釈が変わるのか、楽しみです。

……と書いてたんですが、手合わせ後のセリフで、「次は俺が勝つ!」って言ってるので、自分が勝つことが三日月を救うことになる、のを山姥切は少なくともその時点では知ってるんですよね。ならそりゃ向かっていくよね…となったので、ここに関しては疑問解消しました。知った/気づいたタイミングはわからないけど、動機の謎は解けたなと。

わからないのが心地いい -「おんすてーじ 真夜中の弥次さん喜多さん -三重-」 感想

感想見てて気になったので行ってきました、弥次さん喜多さんおんすてーじ。
三重ってついてますが三重公演はありません(笑)
会場はシアターGロッソ。
www.clie.asia


ネタバレなしの感想としては、とにかく面白いから見てくれという感じなのだけど、前半はまじで意味がわからない。

読んだところで内容はさっぱりわからないと思うので内容を書くと、急に銃弾で狙われるし、「おい、こっちだ」って助けてくれる人が現れるし、飛んできた虫が異様にでかかったり、木の棒を「弟です」と言い出したりする。突然木船に乗ったかと思えば、荒唐無稽な宿が次々通り過ぎていく。人は急によくわからない理由で死ぬし、自分で味方を斬っておいて「誰がやったんだ!」と言い出したりする。

夢で見る内容で、よくよく考えるとおかしいんだけど、夢の中にいた時は納得してることってあるじゃないですか。あの感じ。もうそれがそのまんま再現されている。脈絡のなさがすごい。

事前に感想ブログやツイート読んだ時はめちゃくちゃ内容に触れてる感じがするのにさっぱり内容がわからないな…と思っていたので、たぶん、弥次喜多見てなくてこれ読まれてる方は同じく「さっぱりわからん」ってなってると思います(笑) 文章で読むと意味不明なんだけど、本当にこの通りです。役者さんたちがやってるのを見てるとなんか納得してしまう不思議。

もう明日というか今日が最終日ですが、当日券あると思うので、お時間ある方はぜひ見てほしい。
不思議な面白さを体感してください。



↓ ここからはちょっとネタバレかもしれない。






で、今、刀ステのわからなさに悩まされている関係で、わかる/わからないに関して今すごく敏感なんだけれど、上でも書いたように、前半まじで意味がわからないんだけど、その意味のわからなさが心地よかった。喜多さんはヤク中で、それを治すために弥次さんとともにお伊勢さんを目指しているという情報だけは得ていたので、ヤク中の人に見える景色ってことなのかなぁと思って、脈絡のなさが気にならなかったのと、夢を見ているような気分になっていたせいもあるのかなと思う。

というのが、ずっと、私は喜多さんから見た風景なのかなと思ってのんびり楽しんでいたんだけど、後半、急に弥次さんに対して「これはお前が見ている夢ではないのか?」という問いが突き付けられたり、最終的に、喜多さんはおくすりによって幻覚を見させられていたことが暴露されたりして、その脈絡のなさの理由が明かされる展開になるんだけど、それによって「意味が通る展開」になった時に、ちょっとびびってしまった自分がいて。わからないことが心地いいことってあるんだなというのが発見でした。

聞こえた? - ENG第八回公演「山茶花」感想

小玉百夏さんが出るというので気になってたところにフォロワさんが感想つぶやかれてて、よさそうだったのでふらっと当日券で行ってきました。悲伝のわからなさにずっと悩んでたところに行ったので、素直に見て話の筋がちゃんとわかることにめちゃくちゃ安心した(笑)


◯あらすじ
飛騨の山奥に生息する妖怪「やまこ」
この妖怪 雄しか生まれないため 人間の女をさらい 子を産ませる…

やまこの青年「サンサカ」とその弟「ヒゴ」と「シシ」は嫁さん探しのため
妖怪の里から人間界に降り立った
都への道中 山賊に囚われた少女「つばき」に出会う
生まれて初めてみた女に話しかけるつもりが山賊に捕まり
四人が連れて行かれたのは人里離れた森の奥深く そびえ立つ大屋敷
そこは大商人・藤屋源兵衛のハーレムだった

山茶花(さざんか)の花言葉は「理想の恋」

つばきと出会い やまこにとっては禁断の「ヒトの愛」を知ってしまった
サンサカは 彼女を自由にするために人間達に立ち向かう…

最新情報|ENG公式




あらすじ読んだときの印象ではわりと重い話なのかなと思ってたんですが、やまこ三兄弟がヒトの習慣を知らないというところにとどまらない、ちょっと天然な感じなのもあいまって、全体にコミカルな印象。

サンサカは「書庫にあった人間の書いた書物は全部読んだからな!」って時々自慢げに言うんですが、そのわりに知識がけっこう間違っているのが謎。君はどこでその知識を得たんだ(笑) 相手を褒める時に両手を顎の下に添えて「けっこうなお点前で!」って言うやつが好き。

里にメスがいないのもあってか、男と女の区別がつかなくて、「お前女だろ。えっ違うのか!?」と真剣に驚くシシがかわいい。

ただ、お話自体はめっちゃヘビー。

そもそも山賊が人さらいをしているのは、藤屋源兵衛が気に入れば高く買ってくれるからなんですが、源兵衛もね…母親の面影を追い求めて女を探してるという。母親を想って泣く源兵衛が悲しい。
ハーレムの女たちでは千里さんのエピソードがまた悲しい。「私にはここしかないから」って最後に屋敷が燃えた時に、積極的に残るんですよね。拾ってくれた(?)ことに恩義を感じてるようだったんですが、なんかその愛の向け方が子供が親に向けるそれのようで…もう完全に大人だし、たぶん女たちの中でも年かさなほうだと思うんですけど、あの瞬間は幼子がだぶって見えた。

で、まぁ源兵衛のお屋敷が燃えて。
混乱の中逃げ出して、これからはサンサカとつばき、二人で幸せに暮らそうね、ってエンドかと思いきや、まさかのサンサカが亡くなってしまうという…。う、嘘やろ…ってなりました。

ただ、ラストシーン、サンサカがヒゴとシシに呼びかけて、元気であることを示そう!っていって兄弟3人で遠吠えするところ、無音という演出だったのがすごくよかったなぁ…と思いました。BGMも止まって、しん…とした中に、確かに遠吠えが聞こえて。こんなことってあるんだって。それに気づいて泣きながら笑うつばきの笑顔がとても尊かった。切なくて美しいシーンでした。

カーテンコールで二人が仲よさげなのがまた悲しかったな~。少し道が違っていればありえたんじゃないかと思って。カテコ3回目の時かな? ヒゴが二人をどーんってくっつけさせて、びっくりしてからの照れ笑いにめちゃくちゃきゅんとしました。


ひとつ誤算だったのが、小玉さん、普通の娘役だからアクションがないんですよね(笑) もともと別の舞台でアクションシーンの動き見て、「めっちゃ動ける人だ!」と思って気になってたので、今回もそこ期待してる部分があったんですが、山賊に襲われるシーンで、小刀出すものの、気の強さで対抗って感じで戦えないのを見て、あっそうか!ってなってちょっとしょんぼりしてました。でもサッと人をかわす仕草とかが動ける人の動きでちょっとおもしろかった。

どうやら悲伝の鑑賞方法を間違えていたようだ [6/8 追記]

※悲伝のネタバレがあります!!!





[6/8 追記]
件のフォロワさんから、下記の点で訂正をいただきました。
- そのシーンに関しては、直前にヒントがあるはず
- ほのめかしや匂わせがわからなくても楽しめるはずです
記事自体は記録として残しておきます。


結論からいうと、疑問点がある場合は、その周辺だけ注視していてもだめで、
序盤から、それっぽい伏線を探す必要がある
という話です。






前々回のブログにも書いたんですが、ラストの三日月VS山姥切で、なんで山姥切が立ち向かっていくのかが私はよくわからなくて。

ほっとけば三日月は刀解されるだろうになぜわざわざ泣きながら立ち向かっていくのか? 最後だから手合わせしたい?それにしては本気だよな?? それともループ脱出のためには自分が勝たないといけないことを知っている…? だとしたらいつどのタイミングで知ったのか?

と疑問点がぐるぐるしてたんですよ。
で、悲伝わかりやすかったですよって言ってたフォロワさんと話してた時に、話の流れでその話になって。

自分で気づいたほうがいいと思うので…ってことで、そのシーンに対してのその人の解釈は教えてもらえなかったんですが、その時に「刀は刀を交えた方が言葉を交わすより分かり合えるみたいな事言ってたから三日月と山姥切しか知らない会話があそこにあるんだと思います」って言われて。

その時は、そういえばそんなセリフあったなって感じだったんですが、刀を交えた方が…ってそこじゃなくてもっと前に出てきてたセリフだと思うんですよね。まだ三日月が元気な時に言ってたはず。そのことに気づいた時に、そこで出てきたセリフがそんな終盤に効いてくるの??ってなって。

そらわからんわ……ってめちゃくちゃ得心いきました。疑問点の周辺しか私は注目してみてなかった。それじゃだめなんですよ。序盤から、それっぽい伏線を探して、覚えておかないといけない。まぁ2回目以降は疑問点に関係ありそうなとこだけ覚えればいいから、だいぶ楽になるとは思いますが。

で、山姥切VS三日月のところに戻るんですが、そこで会話してるんだって考えると確かに納得いくんですよね。てっきり戦ってる、もしくは手合わせだと思ってたんですが、会話してる(というよりは山姥切が気持ちを叩きつけるのを三日月が受け止めてる感じですが)と考えると、いろいろつじつまが通る気がする。また次回見てみて確認したい。


1,2回目の観劇の時にわからない点が多すぎて、2回見てこれならアプローチ変えた方がいいかもしれないと思って、3,4回目は理解を諦めて見たんですが、それで正解だったなと思いました。この読み解き方を把握してなかったら、何度見たってわからなかったと思う。だって私が注目してるところに答えはないんだから。


しかしこれ、まだ私は生観劇残ってるからいいけど、明治座しか持ってなくてこれ知ったら「おのれ末満」ってキレるところでしたね。いや持ってても正直キレたいけど。そんな特殊な鑑賞方法を要するなら教えて…。最初から知ってたらもっと有意義な鑑賞ができた。フォロワさんとこの話にならなかったらまじで福岡のチケット無駄に消費するところだったわ…。

今回の刀ステについて思うところ

もうちょっとシナリオどうにかならなかったのかなぁと思う。複雑な上に、不明点が多すぎる脚本。

「いやそれはお前が馬鹿だから理解できないんだ」って言いたくなる人もいると思う。というか私自身がそうなのかなと思った。けど、まわりの人に聞いてみたらほとんどが「初見ではよくわからなかった」「2回目を見たけど、まだもやもやしてる」という意見。

これ、舞台としてはけっこう致命的じゃないだろうか。小説なら、不明点を読み返すことができる。けど、舞台ではそういう訳にはいかない。舞台上で物事はこっちの都合に関係なく進んでいき、配信なり円盤なりが出るまでは見返すことはできない。

しかも刀ステは「チケットが取りづらい」舞台とよく評される。実際、今、1回見て、ちょっとよくわかんなかったからもう1回増やそう、ということが気軽にできる状況ではない。

やっと取れたチケットで見に行って、「何これ??」となったときの落胆を、考えてみたのだろうか? 理解した上でつまらないのなら、まだいい。私には合わなかったな、ですませられる。しかし、理解できない舞台……。「私が馬鹿だからなのかな」という劣等感を謎に受け取り、帰らなければならない。

ただ、これまでも原作サイドからの要請が、という話はちらほら出ていたので、原作サイドからの制限との兼ね合いで、こうなってしまったのなら、申し訳ないなぁとは思うのだけど。。


ちなみに私は2回見てわからなかったので、3,4回目は「理解することを諦めて」見ました。そうしたらそれなりに楽しかったです。個々のシーンはすごくいいんだよね。なので、それぞれのシーンシーンで楽しみました。だって役者さんたちはすごく良い芝居してるんだもん。

それだけにトータルとしてはよくわからないの、すごくもったいないなぁと思います。今からではどうにもできないだろうから、このまま行くしかないんだろうけど、、あぁ、本当にもったいない……。