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マーダーミステリーシアター『裏切りの晩餐』 感想

※致命的なネタバレはしていないと思いますが、「こういう芝居してた」などは言及するので、気になる方はお気を付けください。

全6回のうち、私が見た回は下記3つ。
①12/14 15時
②12/15 14時
③12/15 19時

最初は廣野くん出演の③だけ見るつもりだったんですが、①は解説の北乃颯希くんが犯人当ててたっていうのを聞いて視聴、ここで全然雰囲気違うの面白い!となって、友人の推しさんが出ていたので②も見ました。

マーダーミステリーというのは最近ちらほら聞くなぁと思ってたんですが、パーティゲームとして古くからあるゲームらしいですね。プレイヤーが役を与えられ、その役を演じながら、殺人事件の犯人を推理していく、というゲーム。

人によって役の解釈が違ったり、議論での振る舞いが違ったりするので、設定としては毎回同じなんですが、回ごとに全然雰囲気が違って、とても面白かったです。

それぞれにどういう職業で誰とどういう関係かという設定が付与されていて、それが徐々に「手がかり」という形で明かされていくんですが、この作品、人間関係の設定がエグい(笑)。二股がわんさか出てくるんですよね。それがバラされる度に一悶着発生するんですが、言ってしまえばそこでドラマを展開することって謎解きには関係ないので、いかにして謎解きに戻るかというのも重要になってきます。


ドラマと謎解きとにどの程度時間をさいてたか、というのも回によって違っていて、上記3回の内、一番謎解きに時間を割いていたのは③、一番ドラマに時間を割いていたのは②、バランスよかったのは①だなと個人的には思います。

③は主に場を引っ張っていた廣野くんがかなり謎解きに対して意識が高くて、ドラマに流れそうになるのを謎解きに意識を戻す、っていうのをよくやっていたのがたぶん大きい。その分ドラマ要素は少なめです。

②はちゅうえいさんがかなり演じることに対して注力してて、「今はそこ(痴情のもつれ)は置いといて…」と謎解きに戻そうとするキャストに「置いといてってなんだ!これは重要なことだぞ!」みたいに怒ったりしてたので(もちろん演技で)、それがたぶん大きいんだと思います(笑) 謎解きもしてない訳ではないんですが、あんまり時間はさけてないと思う。友人がラブコメって評してたんですが、ドタバタラブコメが見たい人には②はオススメ。

①は上記2回と比べるとどちらが優先という感じもなくバランスいい回という印象。加藤諒くんがほんとにアドリブなのか疑問に思うぐらいこなれた感じの演技をしていたり、釈由美子さんのお芝居がめちゃめちゃ良かったりして、映像作品見てるような満足感がありました。


アーカイブが12/31まで見られるようなので、気になった方はぜひ☆
https://murdermysterytheater.jp/uragirinobansan/index.html

SPWNとシアターコンプレックスとで配信してるんですが、違いは下記。

  • SPWN
    • 各キャスト視点のverがある
      • ゲーム開始前に独白という形で、そのキャストの設定を聞くことが出来る。また合間に挟まる休憩タイムにはそのキャストの推理や次どう振舞おうかな…という戦略が聞けるので、そのキャストと一緒にゲームしているような視点で見られる。ただし、そのキャストが犯人役だった場合は最初から犯人を知った状態で見ることになる。
    • キャスト全員での感想戦がある
  • シアターコンプレックス
    • 解説がいる
      • 俳優さんとアナウンサーさん?のペアでの解説。休憩タイムにこの人が怪しいとかの推理が聞ける。
    • 1人か2人キャストを呼んでのアフタートークがある
      • 私が見た回(③)は解説の前山さん+廣野くん立花くんの3人でのトークで4分半。「あそこよかったよ」に対して「実はあそこは…」が聞けたりして短めなわりには中身ある感じだった。
  • どっちがいいの?
    • 出演者に推しがいる場合はSPWN版がオススメ。全体的に見たい場合はシアコン版で解説付きで見て、SPWN版で感想戦だけ買うのが楽しいかな〜と思います。


廣野くんについて
出演者のうち、立花くんは次の舞台の稽古で一緒ですが、他は初対面の方なので、おとなしい感じになるのかな〜と思ったら、わりと序盤から積極的に場を回して謎解きを進めようとしていて驚きました。

ドラマに流れそうになるのを謎解きに戻すシーンが何回かあったんですが、痴情のもつれで揉め始めた面々に対して、「夜の話はもういい…!」って言ってたのが、表現のぼかし方が好き(笑)。

役の設定としては女の子と遊びで関係持っちゃったりする、わりとクズな設定なんですが、どこか愛嬌があるというか、可愛げがある感じになっていました。同じ役の綱(啓永)くんや矢部さんがわりとクールな感じの役作りだったのとは対照的。

あと、とあるキャストを詰めるシーンがあるんですが、そこが完全にプロのやり方で… 穏やかなトーンから急にギア入るのが凄くて、初回視聴時はめちゃめちゃ怖かったんですが、とても最高なので廣野くんファンはぜひ見てほしい。アドリブとは思えないクオリティで、まじで絶品です。