考える練習

舞台やイベントの感想など

舞台「DECADANCE」~太陽の子~ 感想 ※後半ネタバレ

1/25(土)ソワレを見てまいりました。
disgoonie.jp

ディスグーニー作品、私はわりといつもそうなんですが、わかるようでわからん(笑) (あ、PANDORA と PSY・Sは見てないです) 話がとっちらかってる感じがすごい。

メインの話は判るんですけど、細かいところであれこれどういうことなんだっていうのがちょこちょこ発生する感じです。でもエモいし、うるっと来るし、なんなんだろうな……不思議な作品。

「野球」や「四谷怪談」の緻密に組み立てられた脚本とか、2.5作品での絶妙なバランスでのシーンやセリフの省略などを考えるに、わかりにくさはわざとなんだろうな〜と思うんですけど、もうちょっとわかりやすくしてもよくない!?(笑) ただ、余白が多い分、いろいろ考える余地があって、他の方の感想読んでると思いつかなかった着眼点からの発想があったりして面白い。

メインの登場人物たちがなぜそういう行動を取るのかがわかるのがかなり後の方なので、それまではとにかく出てくる情報を溜め込んでく感じで頭の負荷がすごかった…。わかりだしてからは面白かったけども。

塩野くん演じるテイラーと、長妻くん演じるマリウスがメインなんだろうなと事前情報で思ってて、実際話としては彼ら2人が主軸だったんですが、猪野くん演じるジェンバがなかなかいい役どころでわりと登場時間も長めだったのが、嬉しい誤算でした。

そもそもすべての登場人物がそれなりに尺ある感じなんですよね。「西田さんはキャラを愛しすぎるからシーンを削れない」みたいな話がTwitter配信で出てましたが、なるほとな〜という感じ。

猪野くんに関しては思った以上にいろんな表情見れたな〜というのと、めちゃめちゃ器用だなこの人というのを感じました。「今、そこ」に必要な芝居ができるというか。それでいてちゃんとこちらの情感を揺さぶってくるのがすごい。

今回見てて、やっぱり2.5じゃない作品の方が、その人の演技を十全に味わえる感じがするな~と思いました。2.5は2.5で好きなんですけどね。猪野くんはあんまりキャラに寄せない方だとは思うんですが、それでも2.5だとキャラのフィルターがかかるんだろうな。あと、猪野くんが「西田さんの舞台が好きでよく見に行ってた」ことを聞いた時は意外だなと思ったんだけど、見てて好きな理由がわかったような気がしました。なんとなく。



以下、致命的なネタバレも含みます。雑感。






  • オルタンシアちゃんがいろいろ謎だったが、「天使では?」という感想見かけてなるほど!となった。少なくとも人ではないよな、「200年たった」ということは。神父さんもそうだとすると「祈る」ことの意味が急にでかい。
  • ジェンバもわりと謎なんですよね…大枠の行動原理はわかるんだけど、どこまで知っててやってたのか?とか細かいとこが…。
  • 最後、3人は結局どうなったんだろう…。「アンナがマリウスを倒す」ことで魔女伝説の完全否定になるのかな~と思うんだけど、彼らがアンナにそれをやらせるだろうか?というのと、そもそもマリウスを死なせないようにしそうな気がするので、死んだように見せかけて逃がす、とかありえそうだな~と思っている。
  • 記録の書き手が「ジェンバ・シェリーニ」ということは少なくともジェンバは生き残ったと考えていいのかな。猪野くんが薄ミュで演じた永倉新八も生き残って記録残した人だから、エモさを感じた。
  • マリウスがいろいろやってたのはつまるところ姉のためだったのはわかったんだけど、そこまでする理由として「許されざる恋をしていたから」っていう解釈を見かけて、確かにそう考えるといろいろ辻褄合うな!?となった。道理で姉の旦那にあたりが強い…。姉への愛情がでかすぎないか?と思っていた。次回そのあたりも注目したい。
  • テイラーが超ツボだった…。ああいうやさぐれ方してる人好き。予言や解説はするけど具体的な行動は特に何もしてない感じが「学者」っぽいなと思う。
  • マリウスがカヤルと「お疲れ様でした」みたいな会話しあうとこめっちゃよかった。
  • アンナが「魔女」なのでは?というのはぼんやり思ってたけど、彼らが見つけたものがアンナだったというのが判明するあたりはすごく胸にきました。
  • ジェンバが牢屋の鍵を渡された後、ぶわっと涙ぐむところ、さっきまで普通に喋ってただけに、鮮やかな変化にぐっときた。
  • アンナとの対面シーンのお兄ちゃんっぷりがよい。
  • あとあの緑のやつ…(笑) ああいうのって俳優側としてはどうなんだろう。「俺だって好きでこんなことしてるわけじゃない」のしょぼくれ具合が好き。