考える練習

舞台やイベントの感想など

感情が乗る/乗らない

末満作品には、私の感情が乗らない。
他にもあるのかもしれないけど、今のところは末満作品だけ、際立って乗らない。
そのことに初めて気がついたのは悲伝だった。

この感覚を説明するには「感情が乗らない」という表現が一番しっくりくるのだけど、一般的な表現に言い換えるなら、「共感できない」あたりが近いだろうか。キャラの心情に私の気持ちが寄り添えない。普段、舞台観劇をする際には各キャラの心情に寄り添い、共振して震えを感じ取るような感覚で感情を味わっているのだけど、その共振ができない。

悲伝も最初は気づかなかった。話がわからないので、せめて感情移入してカタルシスを得ようと思い、いつもよりも意識的にキャラに寄り添おうとして気づいた。できない。なにか、弾かれるような感じがある。

意識的に寄り添うことで、共振できたシーンもあった。それでもいつもに比べれば全然。その時は悲伝だけなのかと思っていた。

しかしその後「TRUMP」(の reverse バージョン) を見て気づいた。心が動かされない。話は面白いが、登場人物の誰に対しても寄り添えない。共振できない。その分、他人事を眺めている感じが強く、誰がどんなひどい目に遭おうと、大変そうだなぁとのんびり眺めていられたが、不思議な感覚だった。true バージョンを見、SPECTER を見、LILIUM を見、グランギニョルを見た。同じだった。

見る過程で思い出したのは、ジョ伝でも共振できず、意識的に共振しにいったことだった。山姥切の慟哭にいまいちうまく乗れないなぁと思ってはいたが、その時はたまたまだと思っていた。(悲伝の手合わせの山姥切にも同じく乗れないのだけど、明治座楽の時は乗れないのにすごく伝わってきて、あれもまた不思議な感覚だった)

何が原因なのかはわからない。

他の作品でもこの現象に行き当たれば比較して何か発見できそうなんだけど、感情が乗らない=舞台を見る上での楽しみが減ることを意味するので、行き当たりたいような当たりたくないような…(笑)