考える練習

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映画「第九条」感想 (ネタバレなし)

映画「第九条」見てきました。
テーマがテーマだから、「興味深い」内容ではあっても「面白い!」とはならないんじゃないかなと思ってましたが、めちゃくちゃ面白かったです。

dai9jo.localinfo.jp

あらすじ (公式サイトより引用)

20XX年、時の政府は日本国憲法第九条の改正の検討に入った。

国民の意思を聞くため、諮問委員会を様々な職種の20代の若者12人のメンバーで作った。

弁護士で九条破棄派の秋葉(南圭介)、国際ボランティアNPO法人で海外での活動から九条維持派の五井(タモト清嵐)、防衛大学生で九条破棄派の木部(馬場良馬)、ニートで人の意見に流される岩間(聡太郎)等、それぞれの立場で第九条の議論を重ねて行く。

最初は議論する事に疑問視するメンバーであったが、日本国憲法成立の歴史を知り、少しずつ議論を重ねて行き、それぞれが日本の未来を真剣に考え、自分の想いを吐露して行く。

果たして、激しい意見の格闘の末、彼らの出した結論は?日本の運命はどうなるのか?

これだけ見るとすごく硬そうじゃないですか?笑
私も荒牧さんが出るのでなければ見に行かなかったかもしれない(あとそもそも荒牧さんが告知してなければ気づかなかったね…)

確かにとても真面目な内容ではあり、序盤は主に弁護士の秋葉(南圭介さん)による説明セリフが続くのですが、それぞれの思いを吐露し始め、議論が白熱しはじめるあたりから、人間ドラマとしても楽しめるようになってきます。セリフと役者さんの演技がよくて、上っ面な意見じゃなくて、各々の実感から出てきた意見として感じられるので、こちらも真剣に聴いてしまう。
どうしても自分と反対の意見って流して聴いちゃうってことあると思うんですが、出てくる例え話がとてもよくて、実際こうなったらあなたはどうするの?っていうのをリアルに考えられるようになっています。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、後半に出てくるとある例が本当に秀逸で、そう来たか…とうなりました。

維持派と破棄派の意見のバランスもよく、どちらかの意見を押し付ける内容ではないので、そういう意味でも安心して見れます。また、憲法成立の背景から安保法案についてなどなど、考えるにあたって必要な知識については登場人物のセリフで解説があるので、正直9条まわりは何も知らない…という人でもちゃんと楽しめると思います。

それと、各キャストごとにちゃんと見せ場があり、キャスト目当てで行った場合も楽しめるかと思います。荒牧さんの役に関して言うと、序盤はほぼ相槌ばかりであまりしゃべらないのですが、中盤にがっつり長台詞あるので、ファンの方はお楽しみに☆