好きな作家とか、好きな本、という欄があると、だいたい梨木香歩と書く。中学生の頃に「西の魔女が死んだ」を読んでから、ずっと大好きな作家さんだ。しかし、知っている人は意外と少なく(特に男性でこの名前を知っている人は本当に少ない)、この間も自己紹介カードにその名前を書いていて、どういう本を書かれてる方なんですか、と聞かれた。これ、なかなかに困る質問なのだ。
SFでもないし、ファンタジーでもない、恋愛でもない。ただ、出来事が起きて、登場人物の感情が動き、各々が行動していく。こういうのって何ジャンルなんだろうと、ずっと不思議に思っていた。それを純文学というのだと気づいたのはいつ頃だったろう。
ただ、梨木香歩さんの作品が純文学かと言われるとそれもまた違う気がする。もっとエンタメ寄り。かといってエンタメ作品と言ってしまうと、また違うものを想像されそうだ。おそらく分類としては一般文芸とかになるんだろう。
「女の子が主人公で」「日常を描いたものというか」とかなんとか言ったのだけど、これ絶対伝わってない。基本的になにか突拍子もないことが起こる訳ではなく、誰の日常にも起こりうるようなことが起きて、登場人物たちは感じ、考え、行動し、また小さな出来事が起こり、感じ、考え…その繰り返し。*1
本当に森博嗣とかに比べて、説明しづらいことこの上ない。そんなに困るなら自己紹介の時に書かなければいいのだけれど、なんとなく外すのは嫌なのだ。
私の中心、奥深くに根付いてしまっているので。とはいえ、次の機会に備えてもう少しマシな説明を用意しておきたい。大好きな作家さんのことをちゃんと説明できなくて、何が本好きだ。*2