当ブログではおなじみの時空の歪みが発生していますが気にしないでください。
昨年11月の舞台の感想です。
どうせ書くならちゃんと書きたいな~というのがあって、書いちゃ消し書いちゃ消ししていたのですが、寅太さんのブログを読んで、そうだよな!書きたいように書こう!ということで諦め吹っ切れました。半分は猪野くんのザップがかわいかった話をしています(長くなったのでこの項は最後)。
torata-nu.hatenablog.com
たーのしかった!
ひさしぶりに短い期間でいっぱい入った感じで、舞台行けない平日も原作の漫画読んだりアニメ見たりしてたので、血界戦線にひたった三週間でした。
配信も終わってしまったので、ネタバレは気にせず行きます。
全体についての感想
原作はアニメ5話まで視聴した状態で観劇。舞台化が決まったあたりで、連日ちょこちょこ見て、めっちゃおもろいやん…!ってなってたんですけど、そこから日が空いたら忘れるというあるあるをやってしまい、、気がついたら初日が目前だったので残りは諦めました。(結局平日に、シーズン1の残りを見て、漫画10巻読んだんだけども…)
1幕は各キャラの性格や必殺技が見られるエピソードを盛り込んで、展開早め。2幕は主人公vsガミモヅの話をじっくりという構成でした。確か 1幕が1時間半で2幕が45分。原作をまったく知らない状態だとちょっと厳しいかもしれないというスピード感ではありましたが、エピソードの取捨選択とまとめ方がうまくて、外してはいけない部分は外さず、でも舞台作品としてもちゃんと成立している感じ。
全体にごちゃごちゃしつつもスタイリッシュという原作の世界観も表現されてる感じで、見せ方に関しても、原作のエッセンスを持ってきていたように思います。
オープニングの最後、ライブラのメンバーが客席に向かって歩いてきて、明るくなりきらずに暗転入るんですが、かっこよすぎてめちゃめちゃテンションあがったし、明るくなりきらないのがあまりにも解釈一致。
必殺技の名前を叫んでから攻撃決めるのもいちいちやってて、原作で二人同時のやつはちゃんと同時なんですよ(笑) こ、細かい…!ってなりました。
今回、短いスパンで舞台->原作->舞台という形で、違うメディアに触れたのもあって、舞台化が難しいシーンをどう処理しているか?というのがよくわかったのもおもしろかったです。
舞台は基本的には場所移動が得意ではないメディアである、というところから始まる演劇論を読んでいたのもあり、余計気になったんですが、原作読んでると、場面転換が頻繁なんですよね。「いろんな場所出てくるな???」となってから舞台見たら、そりゃこれだけセットも動くよね…となりました。
必殺技の表現や異能力の者たちをマッピングに極力頼らずにアナログで表現していたのも、演劇ならではという感じで楽しかった。神々の義眼を与えられる時の妖怪みたいなのも、仕組みがわかっちゃうとシンプルなんですけど、布の動かし方と照明の加減で、初日ほんとにサイズ感がわからなくて、無限にでかい感じがあり、リアルに怖かった。
好きな表現:
- スターフェイズさんの凍らせるやつの表現が綺麗で好き。きらきらと舞う欠片
- ツェッドさん自己紹介時のシャボン玉での表現が音もあわさってかわいい。
- 崩壊して落ちてくる時の風船
キャストごと
ギルベルト・F・アルトシュタイン
西田舞台ではおなじみの萩野崇さん。登場時間、セリフは少ないながらもしっかり印象を残していくのがさすが。歌うような「デルドロ・ブローディ。あなたともあろう方が…」が好き。
ただ、アドリブが不思議で、落としたチキンを拾うザップに、「3秒ルールなら、アウトです」は面白かったんだけど、その次からなぜか「ザップさん、ファイトです」に。セリフだけ見るとおかしくないんですが、これ言う時って、ほぼチキン拾い終わったタイミングなんですよね(笑)。何に対しての励ましなんだ?という。猪野ザップが地味に毎回違う返ししてたのがマメだったw
スティーブン・A・スターフェイズ
スタイルがやばい!喋り方をかなり寄せててすごかった。
スティーブンさんといえば足技ですが、すらっと伸びる足で繰り出される蹴りがめちゃくちゃ綺麗。なんか蹴りが上品なんだよね。途中から足をいためたのか、足技が最小限になったのが惜しかったな〜と思うんですが、ひたすら殴って倒していくスティーブンさんもそれはそれでけんかっぱやい人みたいで面白かった。
- お手伝いさんのヴェデッドに「お疲れ」って2回言うとこの音の違いに震えた。
- ザップについて「度し難いクズ」って言うところで、大きく変えてる感じもないのに、クズが太字に聞こえる。
クラウス・V・ラインヘルツ
諱(いみな)の暗唱、お疲れ様でした…! まじで意味の無い音の羅列なのであれ大変だっただろうなと思う。ヒロステの時はいろいろくっついてたからわからなかったけど、この方もスタイルがすごい(語彙力)。
チェイン・皇
見たことあるのがハイステの潔子さんで、なかなかの棒演技だったので、正直不安だったんですが、うまくなってて、びっくりしました。この方もスタイルがすごい。すらっとしていて、まさにチェイン・皇という感じでした。「ごちそうさま。楽しかったよ〜」の言い方が好き。
レオナルド・ウォッチ
ライブラのメンバの中では唯一の普通の人、なわけですが、普通っぽさがよく出ていた気がします。
チンピラにボコられた後、ソニックに対して「ちゃんと逃げてたな?それが正解だ」っていうとこ、優しさがよく出てるエピソードで好き。最初のナレーションの「最も剣呑な、緊張地帯となった」の「剣呑な」がなんか好きでした。
ガミモヅ
ヒデ様は悪役がはまるよね…。あと言わずもがななんだけど、刀の扱いがうまい…。レオにぴたっと刀を向けるところで、あまりのブレなさと、そこに至るまでの迷いのない太刀筋に惚れ惚れしました。
ガミモヅとレオがやりとりしてるところに、猪野ザップがしゅぱん、と入ってくるとこが2箇所あって、出てくる瞬間から双眼鏡で見るぞ!って思ってるのに、ついガミモヅに見入っちゃって、出てきてから「あぁっまた逃した!」っていうのを毎回やってました。ついつい引き込まれてしまうんですよね……(この次の作品でも猪野くんとヒデ様共演だったんですが、また同じことをしてしまい、なんなんだろう、この吸引力ってなった)。
ザップ・レンフロ
みなさんお待ちかね、ザップについてです!
まぁ私が語りたいだけなんですけど…。
今回、東京公演の1週目に数回、2週目に数回入ったことで、変化が見えやすかったんですが、アドリブの変化軸で面白かったのは、レオとザップが走って暴走トラックから逃げるところで、最初は特にアドリブなかったのが、猪野くんが「俺の前を走るな!」とペダステのセリフを入れ始め、ペダルを漕ぎ始め、最終的には今泉の汗の拭い方までやってて、そこだけ完全にペダステになってたことですね(笑) これうまいなと思うのが、ザップのセリフとしても違和感ないんですよね。まぁペダル漕ぎはさすがに知らなくてもなんかおかしいと思うだろうけど…w
舞台「血界戦線」のギャグ要素のほとんどをザップが担当しているせいもあり、とにかくザップがかわいかった…。もともと原作でも三枚目キャラではありますが、こんな、猪野くんの可愛さ再発見☆みたいな舞台になるとは思わなかった。
あらためて振り返るとそこまで原作から逸脱はしてないんですよね。同じシーンの表現の仕方がちょっと違うだけというか。猪野くんの声が特に低くないのとお顔がかわいい系統なのもあいまって、ひんひん泣いてるとことか「やだやだ」って駄々こねてるところとかめっちゃかわいい。スティーブンさんに「(ザップは)度し難いクズですが、」って言われて、「本音は意図せず漏れるよね…」ってしょぼしょぼ言ってるとこも好き。
真胎蛋(チェンタイダン)のくだり。
難しい技がちゃんと決まらないと、そいつを沈静化できない、っていう状況で、お前がやれ、ってザップが師匠から、命じられてやるっていうシーンなんですが、やろうとして失敗っていうのを繰り返して、「やだよぉ無理だよぉ」ってなってたとこからの、女の子に求められてることを知って、キリッとした顔になり、下心からの集中力で技が決まるという、ほんとにくだらないんですが、ザップの性格が全部つまってるくだり。原作より明らか尺増えてて、ザップ on Stage って感じですごかったです(笑) 「ザップは…こわくない♡ 」のぶりっこっぷりが圧巻。
「度し難いクズ」と言われてしょげるシーン、直前がアクションシーンだからスティーブンさんのネクタイが出てる場合は直してて、ここの組み合わせ好きな人死ぬやつじゃん…と思いながら見てました。本音は意図せず漏れるよね…の後、途中からスティーブンさんがアドリブ言うようになってて、毎回違ってた気がする。キョトン顔でオウム返しするザップがかわいい。
- 「痩せろ」「痩せろ?」
- 「うっせぇ」「うっせぇ?」
- 「うん」「うん?」
呪いをかけられて猫探しするシーン。
ぐすぐす泣いてるのがめちゃめちゃかわいい。客席降りの時の客席いじりがだんだん変化して言って、最終的には客席に舌打ちするスタイルになってたんだけど、毎回笑いをさらってたのがさすがでしたね〜。客に舌打ちしようという発想がすごい。お客さんの膝元から何か拾い上げて何かと思ったら双眼鏡だった時は笑った。1回メガネを借りようとして失敗してましたが、いやそれ外したら見えなくなるやん…?なんでメガネ借りようと思った…?
2幕、ガミモヅと話してるレオに後ろから抱きつくシーン、レオもびっくりしてるけど、見てる方もびっくりした。(えっ、抱きつい、えっ??) ってなった。腐女子だから幻覚を見たのかなと思ったんですが、毎回やってたので現実でした。原作ではむしろ面倒そうな表情で入ってくるシーンだったので、あのシーンからこれができたのだと思うとすごい。その後、レオがザップをかばうシーンでも、抱きつくような姿勢になってて、そういう解釈では演じてないと思うんだけど、付き合ってると解釈されてもおかしくはない距離感でした。なんであれOK出たんだろう?(笑) かわいいからいいけど…(いいのか)。こどもをあやすように「どちたどちた~~?」って楽しげに聞くザップ好き。
原作でもザップとレオ、仲いいのはいいと思うんですが、ベタベタすることに関してはザップが嫌がりそうな印象だったので、キャストの仲の良さを反映した独自解釈だよなぁと思っておもしろく見てました。ツェッドに対しても、脇での芝居とはいえハグしたりしてるので、猪野ザップはそういう解釈なんだろうな。
真胎蛋(チェンタイダン)のくだりで、途中からレオ役の百瀬朔くんに振り始めたの笑った。
「見た? 見ました?」
「ウォッチしちゃった?」がおっさん感あっておもしろかった(ダジャレだからかな)。
途中から照明さんまで協力しはじめて、千秋楽、真胎蛋の攻撃をよけるザップのマネをするレオに「なんでそゆことすんの? 人が一生懸命やってるのに…」ってすね始めたのがめんどくさい彼女みたいでおかしかった。あなたがしつこく振ったからでしょ…w
レオに神々の義眼を使って猫探しを手伝ってもらえるようお願いして断られるシーン。横向きなんであんまりわかんなかったんですが、おそらく毎回変顔をして遊んでいた猪野ザップ。
ついに千秋楽でレオが「ふざけてますよね?」
ザップ「ううん、ふざけてない。ザップは、いつもまじめ☆」
この時にちょっと客席の方向いてくれたんで表情見えたんですが、なんかね、ぺこちゃんみたいな顔になっててすごかったです(笑) 目が大きい人が目を見開くとぺこちゃんみたいな顔になるんだなと思いました(小並感)。
かっこよかったとこ
かわいいとこだけでもあれなので、かっこよかったとこも。
- エルダース倒しにいくぜってとこで、クラウスさんを見て、勝利を確信したような笑みを見せるとこ
- 微妙に毎回表情やリアクションが違ってて楽しみだった
- 爆破が起こって、なんだ?ってなるとこでさっとレオを後ろにやって前に出るとこ
- ラストの「行くぞ、レオ」
- ここぞとばかりに締めでかっこいいザップ!ちょっと音低くするのがめちゃめちゃかっこいいんですよね…。