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舞台「刀剣乱舞 ~維伝 朧の志士たち~」感想

※途中からネタバレ感想
はてなスター 戻したのでよければスターください(直球)

おもしろい刀ステが!帰ってきました!!(どんどんぱふぱふ)なんか最近微妙なんだよね…と思ってた方も今作は楽しいんじゃないかなと思います。シンプルに話がおもしろい。私は末満作品には感情が乗らないのもあって、共感できないと厳しい作品が基本的にささらないんですが(悲伝とか)、話がおもしろいとそこがなくても大丈夫なので楽しい。

「号泣した」「しんどい」という感想見て、どきどきしてる方もいるかもですが、私が見た時は、中にはすすり泣いてる人もいるかな~ぐらいで、私の周囲はハンカチで目元おさえてる人もあんまりいなかったので、これまでの末満作品でめちゃくちゃ泣いた人じゃなければそこまでじゃないと思う。

あと、第二章スタート!という感じの作品なので、これまでの作品を見てなくても支障はないと思います。ただ、シリーズ前々作の「悲伝」で何があったか軽く知っておくと、「あ、これあのことか」とわかる部分は増えます (けど、そうすると悲伝のネタバレになるから、半端に聞くぐらいなら悲伝見た方がいい気もする*1 )

以下、ネタバレ気にせず行きます~。
いわゆる「考察」にはあまり興味がないので、そういう成分は薄めです。







今回は、話の軸が坂本龍馬とその性格を反映した陸奥守吉行だからか、末満作品特有の悲壮感がだいぶ薄い感じがしました。こんなにさわやかな観劇後感、初めてでは…? 陸奥守吉行にめちゃくちゃ共感する場合はまた違った感覚になるのかなとは思うんですが、末満さん、こういう明るい話も書けるんだなという驚きがありました。慈伝ですら、基底に悲壮感漂ってたから…。

明るく笑ってるから大丈夫という話でもなく、つらいのはつらいと思うんですけど、「それは嫌じゃ!だから斬ってくれ!」という、それしかないと思ったらすぱっとそこにいける竜馬と、「わかった、でも無抵抗な人を斬るのは嫌だから闘ってくれ」とあの太陽のような笑顔でいう陸奥守がね…。振り返ってあらためて思うんだけど、二人とも決断が早いよね。変に悩まない。そのせいか、これまでの刀ステの話と最終的な結論としては同じなんだけど、カラっとしていて、不思議な感じでした。


元々櫻井圭登くんの殺陣が楽しみで取ってたのもあり、肥前に注目してたんですが、期待以上でした。艶漢で見てたので動ける人なのはわかってたんですが、最小の動きで最大の効果をって感じの殺陣で最高。
原作ではどうなのかはわからないんですが*2ぶっきらぼうな口調ながら、いろんなとこで優しさがにじみ出てるし、南海先生をすごく尊敬してるんだな~って伝わってくるのがめちゃめちゃよかった。他の人に振り回されがちで不憫なとこもかわいい(笑)

陸奥守の殺陣も別ベクトルでめちゃめちゃよかった。軽やかに跳ね、まわりながら、緩急自在に敵の刀を弾き、かと思えば切り込んだりしている様子は、まるでサーカスのショーを見ているようで、見ていてとても楽しかったです。

鶴丸は「染谷さんの」鶴丸って感じだな~と今回見ててあらためて思いました。「ちょっと刀剣男士ぃ~」は染谷さんにしかできない(笑)

今ふいに気づいたけど、肥前も悩まないし、南海先生も自己肯定感強めだし、兼さんと堀川も特段悩んではいないし、鶴丸も染鶴だから細かいこと気にしなさそうだし、小烏丸も悩むタイプじゃないし、今回のメンバー、悩む刀がいないですね。だからカラッとしてるんだ。

間組キャストについても。

  • 唐橋さんの吉田東洋、ずるくない?
  • 武市半平太役の神農直隆さん、「骨と十字架」でティヤール演じてた方だとパンフ見て気づいてびっくりした。
  • 一色さんの以蔵、身体能力の高さが、「人斬り以蔵」としての説得力を増しててすごい。


まぁでも端々に不穏さが埋め込まれているところは末満作品ですね(笑)

1幕終わりに、金髪頭が出てきて、「えっ、これは…まんばちゃんでいいの?」って戸惑ってたら、ラストで荒牧さんの声だった時はおいいいってなりましたw ばりばりエフェクトかかってる音ではわからなかったんですが、エフェクト薄くなるとさすがに推しの声はわかりますね。

最初は作中で出てきた、実は人間ではなかった存在みたいに気持ちを軸にして顕現した存在なのかなと思ってたんですが、顔と頭が変化してないこと考えると、あれはそういう振りをしてるだけなのかな? ただそうするととてもクオリティの高いコスプレということに…。

気持ちを軸に顕現した場合はたぶん本体は慈伝で出てきてた山姥切で、コスプレだった場合は彼が暇を見つけては時間軸をうろうろしていることになる訳ですが…、いややっぱこの線の解釈、微妙な気がするな(笑) 手立てを見つけるために遡行軍のコスプレをしている山姥切、とても切ないけど、絵面が非常におもしろい。だめだ。


今作見てて、下敷きとなる話がある方がおもしろいなって思ったんですが、これたぶん、下敷きとなる話がないとオリジナルの味が強くなる=末満さんのクセが強く出るので微妙なんでしょうね。悲伝でわかったんだけど、私、末満さんのセリフ、ポエム味が強いとめちゃくちゃ相性悪いんで…w

*1:あわない場合は虚無を味わうことになるから勧めづらいけども

*2:最近は放置してるので…