考える練習

舞台やイベントの感想など

それぞれの思い、それぞれの願い - 舞台「野球」~飛行機雲のホームラン~ 感想

2回見た段階での感想がそのときの感情が閉じ込められてる感じがしていいな~と思ったのでひとまずアップ。

8/1(水)に1回目、8/4(土)昼公演で2回目見ました。

4日は舞台「野球」からの七ステのはしごだったんですが、温度差で死にそうになりました。パワーとガッツで世界を変えるぜ!といわんばかりの七ステの明るさによって、野球のしんどさが増すという…。

この舞台について語ろうとするとつい、舞台「戦争」と言いそうになる。それぐらい、テーマとしては戦争なんだけど、がっつり野球をしている、そんな不思議な舞台でした。

もうなんかとにかくぼこぼこに泣かされて、1回目の時は一幕の段階から4-5分おきに泣くみたいな感じで、二幕も見終わった時には泣きすぎて頭痛くなってたぐらい。

まだ全然序盤、赤紙が出てきた段階で泣いてしまったのは我ながら早いわと思った(笑)絶たれてしまう命の予感みたいなものをぐわっと感じてしまって…。ここを2回目に見た時は「ずしん」とはきたんだけど、泣きはしなくて、(まぁそうだよね、2回目だし)と思ってたら、しみじみとした中佐の「ホームランだ」で泣き、安西くんの清々しい「でも野球だ」でさらに泣き…結局1幕から泣きまくっていた…。

ドラマはすごく感じたけど、特に泣きはしなかった、という人も見かけたので、何かささるものがあったんだと思う。

一幕は説明なしに野球が始まって、そこに細切れに別のシーンが挟まる感じなので、最初はなんなんだ…??と思って見てたんですけど、徐々にピースがはまっていって、「そういうことなのか!」とわかることが増えるにつれて加速する泣き。本当にパズルをぱらぱら埋めていって、最後に大きな絵が完成するみたいな感覚があって、緻密に組み立てられた構成って感じですごかった。

ずっと色濃く、明日には死んでしまう、これが最後の野球なんだ、というのが通奏低音のように流れてて、もう泣く準備は整ってるぜって感じではあるんですが、そこにそれぞれの思いや願いがのっかってきて。もっと野球がしたかった、というのもあるし、こういう職業につきたかった、というのもあり、それぞれに人生があり、思いがあるんだ、というのが描かれることで、余計に彼らの人生が明日終わってしまうことがつらくなるという。

不思議だったのが、フィクションであることはもちろん頭の中ではわかってるのに、本当に彼らが生きてるような、その役柄自身であるような感じがしたこと。「彼らの姿を目に焼き付けておかないと」と必死に見る自分がいました。