考える練習

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わからないのが心地いい -「おんすてーじ 真夜中の弥次さん喜多さん -三重-」 感想

感想見てて気になったので行ってきました、弥次さん喜多さんおんすてーじ。
三重ってついてますが三重公演はありません(笑)
会場はシアターGロッソ。
www.clie.asia


ネタバレなしの感想としては、とにかく面白いから見てくれという感じなのだけど、前半はまじで意味がわからない。

読んだところで内容はさっぱりわからないと思うので内容を書くと、急に銃弾で狙われるし、「おい、こっちだ」って助けてくれる人が現れるし、飛んできた虫が異様にでかかったり、木の棒を「弟です」と言い出したりする。突然木船に乗ったかと思えば、荒唐無稽な宿が次々通り過ぎていく。人は急によくわからない理由で死ぬし、自分で味方を斬っておいて「誰がやったんだ!」と言い出したりする。

夢で見る内容で、よくよく考えるとおかしいんだけど、夢の中にいた時は納得してることってあるじゃないですか。あの感じ。もうそれがそのまんま再現されている。脈絡のなさがすごい。

事前に感想ブログやツイート読んだ時はめちゃくちゃ内容に触れてる感じがするのにさっぱり内容がわからないな…と思っていたので、たぶん、弥次喜多見てなくてこれ読まれてる方は同じく「さっぱりわからん」ってなってると思います(笑) 文章で読むと意味不明なんだけど、本当にこの通りです。役者さんたちがやってるのを見てるとなんか納得してしまう不思議。

もう明日というか今日が最終日ですが、当日券あると思うので、お時間ある方はぜひ見てほしい。
不思議な面白さを体感してください。



↓ ここからはちょっとネタバレかもしれない。






で、今、刀ステのわからなさに悩まされている関係で、わかる/わからないに関して今すごく敏感なんだけれど、上でも書いたように、前半まじで意味がわからないんだけど、その意味のわからなさが心地よかった。喜多さんはヤク中で、それを治すために弥次さんとともにお伊勢さんを目指しているという情報だけは得ていたので、ヤク中の人に見える景色ってことなのかなぁと思って、脈絡のなさが気にならなかったのと、夢を見ているような気分になっていたせいもあるのかなと思う。

というのが、ずっと、私は喜多さんから見た風景なのかなと思ってのんびり楽しんでいたんだけど、後半、急に弥次さんに対して「これはお前が見ている夢ではないのか?」という問いが突き付けられたり、最終的に、喜多さんはおくすりによって幻覚を見させられていたことが暴露されたりして、その脈絡のなさの理由が明かされる展開になるんだけど、それによって「意味が通る展開」になった時に、ちょっとびびってしまった自分がいて。わからないことが心地いいことってあるんだなというのが発見でした。