考える練習

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劇団☆新感線「髑髏城の七人」Season月 下弦の月 1/3ソワレ 感想

ざっくりとでもいいから早めに感想をあげるようにしようかなという試み。

髑髏城は前回Season鳥で初めて見て以来。
どうも私、松雪泰子さんの極楽太夫が好きすぎたようで、今回の羽野晶紀さんの極楽太夫はちょっとぎゃんぎゃんしすぎてる感じがしていまいちだった…。好きな人ごめんなさい。酸いも甘いも噛み分けた大人の感じが好きだったんだ…。そこの部分もそうですけど、キャストが全体に若いとなんか全体に雰囲気が若々しい感じ。

あ、でも天魔王に関しては逆…? いや同じぐらいかな? 鳥髑髏の時は森山未來さんが天魔王やってて、わりとコミカルな雰囲気が強かったんですが、鈴木拡樹さんの天魔王はより冷徹な印象でした。表情作りだったり台詞回しはわりとコミカルな面も多いよなぁ、と思うんですが、なんかこわい。声に底冷えのする感じがあって、世界を統べる=人を従えさせようとしてる者の声としてとても雰囲気出ててよかった。

冒頭のシーンが今回から追加らしいですが、あれいいですね。説明が入ってわかりやすくなってるのもそうなんだけど、あれが入ることで、初っ端から不穏な雰囲気がじんわりただよった状態になるのが好き。鳥の時はわちゃわちゃした合戦からスタートだったから、最初はのほほんとした感じから徐々に徐々に不穏な雰囲気が投入されていく感じだったけど、最初から、ずっと後ろに不穏な線が引かれてる感じ。

早乙女蘭兵衛が好きすぎたので、廣瀬さんの蘭兵衛が受け入れられるか心配でしたが、思ったより大丈夫だった、というか全体に雰囲気似てたんだけど、蘭兵衛はなんか型みたいなのが決まってるんだろうか…?? 他のキャラがわりと造形から違ってたのに蘭兵衛があまりにも雰囲気似すぎてて、声まで似た感じだったので(元々声質が似てるんだとは思うけど)、「早乙女太一リスペクトか??」って戸惑った。

廣瀬さんの蘭兵衛の方が人間味ある感じ、というか若さがそのまま残ってる感じがした。天魔王と一緒に無界屋を襲うシーンでもなんか楽しそうなんだけど、早乙女さんのでは無表情だった気がするんだよね(記憶違いだったらごめんなさい)。早乙女蘭兵衛は何かに突き動かされてそうしてる一方で廣瀬蘭兵衛は多少なりとも自分の意思がそこに混じってる感じ。

殺陣もどうなのかなって思ってたけどそれほど気にならなかった。ある程度以上技量があって、ちゃんと演出がなされていれば、技量差って気にならないものなんですね。早乙女さんの殺陣がまじで異次元だったから比べて落胆してしまうんじゃないかって思ってたけど、見てる時は全然意識してなかったな。

捨之介がかっこよすぎてチートでしたね…(笑) ただ、他の方の感想を読んでると鳥髑髏の造形の方が異例だったっぽいから、こっちのかっこいい感じの捨之介がむしろ通常なのかな。見るからにかっこいいし、闘いが始まったら普通に強いってなんなの(怒)。雑魚をあしらう時の、本当にぺいっぺいってやってる感じの殺陣がよい。「俺達は信長に夢中だった…」って語る時の笑顔が少年のようで切なかった。

狭霧が男の子に変更されてしまっているということで、狭霧かわいかったのにーとちょっとしょんぼりしてたんですが、霧丸普通にかわいかった...。ちょこまかしてて感情のままにぷんすこしてる様子が本当にこどもみたいだった。捨之介との恋愛要素がいっさいないのも個人的に好み。

曲やダンスの入れ方とかが王道エンタメ作品って感じだなぁと思う。
ずるいなと思ったのが、鎌と鍬で戦うところ。身内が鎌を持って助けに来るところは鳥髑髏でもあったから、「きたきた!」って感じだったけど、まさかの敵も「俺も元は百姓の出でな…」って鎌取り出すし、じっちゃんはどこからともなく鍬取り出してくるの笑った。「どっから出してきた!」って本当にな!なんで1回も入ったことないはずの城で勝手知ったる感じなのか(笑) 呼んだら兵庫の分の鍬も来るし。

じっちゃんの(あれ、そういえばとうちゃんだっけ?まぁいいか)動きが明らかに手練の動きなのもウケる…と思ってたらインディ高橋さんだった。あれだけ扮装されるともうわかんないですね。あの人なら刀でも兵庫以上に戦えそう。

前回は天魔王VS蘭兵衛の殺陣がすごく印象に残ってたんだけど、今回は天魔王VS捨之介の闘いがすごく印象に残った。最後、どんどん鎧を削がれて、小さくなっていく天魔王がすごく哀れに見えて…この人も人間なんだよなぁって。

王道エンタメ作品を見たなーって感じで、よい観劇初めでした。