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考える練習

舞台やイベントの感想など

ロスモワの仁希について

※「仁希かっこいい」派の人、「ロスモワは愛の物語だ」派の人はたぶん読まない方がいいと思います…


仁希かっこいい、とか、ロスモワはやっぱり愛の物語なんだよみたいな感想を見ながら、ずっともやもやしていた。なんとかそれを消化しようとしていたんだけど、いや、別に他の人と同じ感想を抱く必要もないのでは、と思ったので、私の感想を記しておこうと思う。

私は、仁希が猿比古に対してやったことは、親として絶対にやってはいけないことだし、あれは愛ではないと思う。確かに仁希は猿比古のことが好きなのかもしれない。けれど愛してはいない。少なくとも私は、その人が大切にしているものを壊し、傷つけ、怒らせて楽しむことを、愛だとは思わない。仁希がああやって歪んだ"愛情"をぶつけた結果、猿比古もまた、愛するということを学べずに育ってしまった。(もちろん木佐にも責任はあるが)愛を誤学習してしまった猿比古は、今、大切な、いや、大切だったはずの美咲に対して、歪んだ"愛情"をぶつけている。

最初、ロスモワを観た感想としては、仁希大嫌い、めっちゃむかつく、だった。原作読んだ時も、仁希うっとうしいなとは思っていたが、舞台版で見て、あの口調で喋るたびにむかついて、高笑いをするたびに、もう聞きたくない、耳をふさぎたい、と思った。あの特徴的な馬鹿笑いを聞くと、すごく不安な気持ちになって、こわくて、そのことがまた、仁希に対してのいらつきを増した。

ロスモワはなんというか、全編通して救いのない話で、クロが出てきた時はそこだけ清々しい空気が漂っているようで、心底ほっとした。

仁希役の荒牧さんが好きなだけに、仁希に対していい感情を抱けないことが余計につらかった。2日目ソワレでもう一度観た時はもう少し落ち着いた気持ちで観劇できて、この人はすごい役者さんだなと思ったんだけども、仁希に対しての複雑な心情は変わらなかった。仁希のブロマイドが、しばらく見ているといらついてくるために、あまり眺められなかったぐらいには……。翌週火曜にいたって、ようやく、平静な心で仁希のブロマイドを眺められるようになった。見た目は好きなんですよ、色気があって。

……あ、念のため書いておきますが、だから仁希の演技はだめだったということではないです。むしろ好きな役者さんであるにもかかわらず、大嫌いだと思えるレベルでゲスに徹したということで、とてもすばらしい演技だったと思う。